【'97シーズンを振り返って】
昨シーズンは、おかげさまで、ホンダライダーが以下の通り国内外で6タイトルに輝くとともに、ホンダ マシンは7タイトルを獲得することができました。
〈世界選手権〉 |
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ロードレース |
(個人3タイトル/メーカー3タイトル) |
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モトクロス |
(個人1タイトル/メーカー1タイトル) |
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スーパークロス |
(メーカー1タイトル) |
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〈全日本選手権〉 |
ロードレース |
(個人1タイトル) |
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〈AMA〉 |
ロードレース |
(個人1タイトル/メーカー2タイトル) |
●ロードレース世界選手権シリーズ
昨シーズンの中でも最も好成績を収めたのが、ロードレース世界選手権シリーズです。特にGP500クラスにおいては、NSR500が全戦全勝という快挙を達成したほか、7回にも及ぶ表彰台独占など、数多くの記録を樹立するシーズンとなりました。
その原動力となった、NSR500を駆るM.ドゥーハン選手(レプソル ホンダ)は、マレーシアでの開幕戦を優勝で飾ると、連戦連勝の快進撃でシーズンを折り返し、第11戦のイギリスGPにおいて10勝目を挙げ、この時点で、4戦を残す異例の早さで4年連続ワールドチャンピオンシップを獲得しました。そしてシーズン終了時では、15戦中12勝という、500ccクラス歴代単独1位となるシーズン優勝回数を記録。さらに、歴代単独1位となる12回連続ポールポジション獲得の達成など、GP史上の記録を塗り替えながら、4年連続チャンピオン獲得という快挙を達成しました。
また、シーズンを通じてM.ドゥーハン選手と接戦を繰り広げた岡田忠之選手(レプソルホンダ)が、第14戦のインドネシアGPにおいてGP500クラス初優勝を飾り、シリーズランキング2位を獲得しました。
そして、今季からGP500クラスに転向した青木宣篤選手(レオス ELF F.C.C. T.S.)が、初参戦ながら開幕戦での3位入賞を始め、4度の表彰台登壇を果たし、3位を獲得しました。
一方、第7戦のオランダGPでの転倒で左手を負傷した、A.クリビエ選手(レプソル ホンダ)は、治療のため5戦に及ぶ欠場というハンデを背負いながらも、第3戦、母国スペインでの優勝と、最終戦での優勝の2勝を挙げ、4位の成績を納めました。
また、世界選手権では初フル参戦の青木拓磨選手(レプソル ホンダ)が、NSR500Vを駆り、最終戦での2位を含む、3度の表彰台登壇を果たし、5位を獲得しました。
そして、これらの選手の活躍によりホンダマシンは、4年連続、通算10度目のマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得しました。
GP250クラスでは、今季からNSR250を駆って参戦し、開幕戦優勝を飾った、M.ビアッジ選手(マルボロ チーム カネモト・ホンダ)が、シリーズ中盤に苦戦を強いられ、一時ポイントリーダーを退いたものの、最終戦までもつれ込んだ激戦を制し、GP250クラス史上初の、4年連続のタイトル獲得を成し遂げました。
最終戦までチャンピオン争いを繰り広げた、R.ウォルドマン選手(マルボロ ホンダジャーマニー)が、今季4勝を挙げ、ランキング2位を獲得しました。
またO.ジャック選手(チェスターフィールド ELF テック3)が3位、宇川徹選手(ベネトン ホンダ)が5位でシーズンを終了しました。
そしてこれらの選手の活躍によりホンダマシンは、通算16度目のマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得しました。
GP125クラスでは、RS125Rを駆る上田昇選手(チーム ピレリ)が最終戦で通算10勝目となる今季4勝を挙げランキング2位を獲得したほか、眞子智実選手(チーム UGT 3000)が3位を獲得しました。
●スーパーバイク世界選手権シリーズ
スーパーバイク世界選手権シリーズにおいては、RVF/RC45を駆るA.スライト選手とJ.コシンスキー選手がカストロール ホンダよりエントリー。
J.コシンスキー選手は、開幕戦優勝を飾り、持ち前の堅実な走りでポイントを重ね、第11戦の日本ラウンドで、最終戦を待たずに初のワールドチャンピオンを獲得しました。
また、A.スライト選手も安定した走りでポイントを重ね、ランキング3位を獲得しました。
これによりホンダは、'89年以来3度目となるシリーズチャンピオン獲得となり、同時にRVF/RC45は初めてのマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得しました。
●世界耐久選手権シリーズ
世界耐久選手権シリーズは、今シーズンもル・マン24時間を皮切りに全4戦で開催され、W.コステス選手、C.ラビエール選手が、RVF/RC45を駆り、同ポイントでランキング4位を獲得しました。
世界耐久選手権シリーズ第3戦“スプライト・クール”鈴鹿8時間耐久ロードレースでは、RVF/RC45を駆る伊藤真一/宇川徹選手組(ホリプロ ホンダ with H・A・R・T)が、降り続ける雨の中、序盤で築き上げたリードを堅守し、15年振りとなる日本人ペアでの優勝を果たしました。また、J.コシンスキー/A.バロス選手組(カストロールホンダ)が2位入賞を飾り、ホンダは、20周年目となる鈴鹿8時間耐久ロードレースで、1-2フィニッシュの好成績を残しました。
なお、岡田忠之/A.スライト選手組(カストロールホンダ)が6位、ポールポジションからスタートした加藤大治郎/武田 雄一選手組(チーム国光 WITH HSC)が 9位の成績で完走しました。
●モトクロス世界選手権シリーズ
250ccクラスでは、CR250Mを駆るS.エバーツ選手(チーム ホンダ・レーシング)が第5戦のフランスGPでの優勝以降、3度のパーフェクトウィンを含む7連勝をマークし、第13戦ポーランドGPでの第1ヒートで優勝を決めた時点で、3年連続のシリーズチャンピオンに輝き、15戦中9勝の好成績を納めました。また、J.カールソン選手(RWJ ホンダ)がランキング5位を獲得しました。
●トライアル世界選手権シリーズ
トライアル世界選手権シリーズでは、藤波貴久選手(HRC クラブ FUJINAMI)が最終戦のドイツGPで、念願の世界選手権初優勝を飾り、ランキング4位を獲得しました。
●全日本ロードレース選手権シリーズ
スーパーバイククラスでは、RVF/RC45を駆り参戦した武田雄一選手(カストロール ホンダ)が、11戦(12レース)中、2回の優勝を含む6回の表彰台登壇を果たすなど、激しいタイトル争いを繰り広げ、ランキング3位を獲得しました。
また、今季より全日本に復帰し、スーパーバイククラス参戦となった伊藤真一選手(カストロール ホンダ)は、鈴鹿8時間耐久ロードレースでの快勝後、第7戦のMINEで初優勝を果たし、シリーズ後半はそのまま調子を上げ、ランキング5位を獲得しました。
GP250クラスでは、NSR250を駆る加藤大治郎選手(カストロール ホンダ)が、開幕戦を欠場するも、第2戦以降4連勝の快進撃。以降も全戦表彰台登壇を果たすなど、圧倒的な強さで11戦中8勝を挙げ、初のタイトルを獲得し、2年連続のシーズン最多優勝の記録を樹立しました。ホンダとしては、'94年以来3年振りのタイトル獲得となりました。
毎戦激戦が繰り広げられたGP125クラスでは、RS125Rを駆る菊池寛幸選手(TUBE R&Ablecom)が、第7戦のMINEで初優勝を果たすと、後半は一気に調子を上げ、残り4戦で3度の優勝に輝きましたたが、1ポイント差で僅かに及ばず、ランキング2位の成績でシーズンを終了しました。
また、ランキング2位から7位までをホンダマシンが独占するなど、今シーズンも好レースが展開されました。
●全日本モトクロス選手権シリーズ
250ccクラスでは、小田切一剛選手、高木崇雅選手、佐々木裕介選手の3人がチーム HRCから参戦し、佐々木選手が、第5戦旭川での第2ヒートにおいて初優勝を挙げるなど、シーズンを通して確実にポイントを重ねた結果、ランキング4位を獲得しました。
また高木選手が、シーズン中5回、小田切選手が4回のヒートでの表彰台登壇を果たし、それぞれランキング5位、10位の成績でシーズンを終了しました。
125ccクラスでは、CR125Rを駆る加賀真一選手(TEAM MOTOROMAN)が、第2戦の名阪でのパーフェクトウィンを含み、3回のヒート優勝を飾り、ランキング2位を獲得しました。
また細野彰選手(ホンダ学園関東校&モトロマン)が、3回のヒート優勝を含み、7回のヒートでの表彰台登壇を果たし、安定した成績でシーズンを終了し、ランキング3位を獲得しました。
●全日本トライアル選手権シリーズ
全日本トライアル選手権においては、藤波貴久選手(HRC クラブ FUJINAMI)が、RTLを駆り、全7戦中5戦に参戦。最終戦優勝を含む4度の表彰台登壇を果たし、ランキング4位を獲得しました。
また、三谷英明選手(HRC クラブ MITANI)、本多元治選手(HRC クラブ 和光 Y・W)が、それぞれ、ランキング5位、8位を獲得しました。
●AMAスーパーバイク/スーパースポーツ
スーパーバイクシリーズでは、M.デュハメル選手とS.クレビエ選手が、RVF/RC45を駆り、スモーキン ジョーズレーシングから参戦。M.デュハメル選手が、全10戦中4勝を挙げ、ランキング2位でシーズンを終了しました。一方のS.クレビエ選手は、ランキング4位を獲得しました。
また、スーパースポーツシリーズでは、M.デュハメル選手とS.クレビエ選手が、同じくスモーキン ジョーズ レーシングからCBR600F3でエントリー。M.デュハメル選手が、全11戦中5勝を挙げ、シリーズタイトルを獲得しました。
また、S.クレビエ選手は、ランキング5位でシーズンを終了しました。
これらの選手の活躍により、RVF/RC45、CBR600F3は共にマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得しました。
●AMAスーパークロス/ナショナルモトクロス
スーパークロスシリーズ250ccクラスでは、アメリカン・ホンダから、ワークスライダーとしてS.ラムソン選手(チームホンダ)が、CR250Mを駆り参戦。第9戦の練習走行中に右手親指を負傷し、以降全戦欠場を余儀なくされ、15位でシーズンを終了しました。
また、125ccEASTクラスにおいては、S.ロンカダ選手(ホンダ オブ・トロイ)がランキング2位を獲得。ワークスライダーとしてCR125Rを駆り参戦したS.シーク選手(チーム ホンダ)は、第4戦のオーランドで3位入賞を果たし、ランキング6位を獲得しました。
ナショナルモトクロス125ccクラスでは、S.ラムソン選手、S.シーク選手の両選手がCR125Rを駆り、チーム ホンダから参戦。S.シーク選手が、2回のヒート優勝を含む、9回のヒートでの表彰台登壇を果たし、シリーズランキング3位を獲得しました。またディフェンディングチャンピオンのS.ラムソン選手は、スーパークロスで負傷した右手を第2戦のサクラメントでの第2ヒートで再度傷め、4戦と1ヒートを欠場し、9位でシーズンを終了しました。
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