OCEAN MASTER STORY

世界のプロが選んだHonda

世界で活躍するHonda船外機の
知られざるストーリー

2018.02.23
名匠一族の新たなる挑戦 17

江戸和船「網船」が完成。
その美しい船体は、
ボートショー2018で一般にお披露目!

ジャパンインターナショナルボートショー2018 Hondaブースに展示決定

当然のことだが、龍太郎社長も稔氏も、そして龍也氏も木のことを熟知している。

木のことを知らなければ木造船は造れないというのが持論だ。

木が曲がりやすいところで曲げてやることが、美しい曲線につながる。そしてそういう曲線を持たされた船は水との相性が良く、水流を乱さず、滑るように走るのだと聴かされた。

「お客さんの要望を満たすために基本設計をし、その中で佐野のスタイルを出すわけです。実はそこに最初の大きな苦労があるのですが、それを乗り越えると、次は建造段階で、いろいろと問題にぶつかるものです。フィッシングボート、ランナバウト、ヨット、そしてこの和船、それぞれに建造上の苦労は付いてまわるものです。でもそれをひとつずつ乗り越えてこそ、造り上げる喜びがあるわけです。今回、わたしと弟(稔氏)にとって和船の建造は3隻目だったので、それほど大きな苦労はなく建造できたと思っています」

出来上がった伝統的な江戸和船を、ひとりでも多くの人にみてもらいたい。そのために、3月8日(木)から11日(日)まで開催されるジャパンインターナショナルボートショー2018のHondaブースに出展することを決めた。

上棚にこべりを付ける。
突き出た銅釘を丸めていく。これが尾返しだ。
この日は「まつら」に銅板を貼る稔氏。
銅板を貼る稔氏。銅板に打った鋲(丸釘)の数は1万本。
杉材で造られた敷(船底)とカシキ(写真左)には、艇庫保管が中心となるためにFRPでコーティング(写真右)。美しい仕上がりだ。
戸立を見る。右舷よりセットオフされて船外機が装着される。左舷には櫓の受けがある。
板子と呼ばれるデッキが張られた。この上に、体験乗船で乗られるゲストが座ることになる。
取材協力:(有)佐野造船所(http://www.sano-shipyard.co.jp/index2.htm)
文・写真:大野晴一郎
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