村杉小屋に逗留していた開高さんは、さまざまな山菜料理で腹を満たした。 メニューはいろいろあったがようだが、そのひとつに山菜をたっぷり入れ込んで作ったヤキメシがあった。それこそが後に「開高めし」と呼ばれるようになる開高さんのお気に入り料理である。 グルマンの開高さんはヤキメシに対してもこだわりがあり、エッセイ集「白いページ」の「食べる」という章に、ヤキメシは「あくまでもかるみをもってフワリと仕上げてほしい……」とある。 村杉は「開高めし」の元祖である。佐藤さんに「開高めし」を作っていただいた。 それは、ほのかに香る醤油の香りと、ひと粒ひと粒のお米が上質の油に軽く包まれたまろやかさの中に、シャキシャキの山菜を楽しむことができるヤキメシだった。天辺には紅ショウガがのっているのだが、これは開高さんのリクエストだったそうだ。 そしてもう一品、茹でたアケビの新芽に卵の黄身を落とし、醤油をさっとかけたものも開高さんの大好物だった。「木の芽の巣籠り」と名付けられたこの料理を、大口を開けてかき込む開高さんの嬉しそうな顔が想像できる。




3カ月の滞在の後、開高さんは9月1日に山を下りた。この間、釣り上げたイワナは31匹。そのすべてをリリースした。当時、キャッチ&リリースは一般的には行われていなかったが、銀山湖の将来を考え、自ら範を垂れたのである。
今、銀山湖において全長15センチ以下のイワナやヤマメなどの幼魚を採捕することは、新潟県内水面漁業調整規則ならびに水産資源保護法により禁じられている。幼魚は速やかにリリース。これが基本である。
ところで銀山湖に棲む魚のうち、ワカサギには禁漁期間がない。釣りが通年で可能、と言いたいところだが、おしいかな冬季は湖畔に辿り着く術が無い。銀山湖のワカサギは人が氷を割って垂れる釣り針とは無縁の魚だが、イワナに捕食される。だから、イワナを狙うならワカサギを探せ!そう言い切っても良い。
そのワカサギたちは春に産卵期を迎え、流れ込みに群れが見られるようになる。
Hondaの4ストローク船外機の静粛性に任せて湖面を行き、運よくワカサギの大群を見つけることができたら、即、ルアーを投げ込み、イワナとの駆け引きを楽しめばよい。
この記事が公開されるころ、すでに銀山湖は閉ざされている。
大イワナに思いを馳せ、タックルを磨きながら解禁日を待つのも楽しいものだ。
今、銀山湖において全長15センチ以下のイワナやヤマメなどの幼魚を採捕することは、新潟県内水面漁業調整規則ならびに水産資源保護法により禁じられている。幼魚は速やかにリリース。これが基本である。
ところで銀山湖に棲む魚のうち、ワカサギには禁漁期間がない。釣りが通年で可能、と言いたいところだが、おしいかな冬季は湖畔に辿り着く術が無い。銀山湖のワカサギは人が氷を割って垂れる釣り針とは無縁の魚だが、イワナに捕食される。だから、イワナを狙うならワカサギを探せ!そう言い切っても良い。
そのワカサギたちは春に産卵期を迎え、流れ込みに群れが見られるようになる。
Hondaの4ストローク船外機の静粛性に任せて湖面を行き、運よくワカサギの大群を見つけることができたら、即、ルアーを投げ込み、イワナとの駆け引きを楽しめばよい。
この記事が公開されるころ、すでに銀山湖は閉ざされている。
大イワナに思いを馳せ、タックルを磨きながら解禁日を待つのも楽しいものだ。

参考文献: フィッシュ・オン(開高健著・新潮社版)/ 白いページI、II(開高健著・角川文庫)
取材協力: 村杉
〒946-0084 新潟県北魚沼郡湯之谷村銀山平温泉 TEL:02579-5-2451(冬季02579-5-2528)
営業期間:4月10日〜11月10日
文・写真:大野晴一郎
取材協力: 村杉
〒946-0084 新潟県北魚沼郡湯之谷村銀山平温泉 TEL:02579-5-2451(冬季02579-5-2528)
営業期間:4月10日〜11月10日
文・写真:大野晴一郎