
天の川写真撮影:飯島 裕
* 古代の中国では、地上の世界とは別に、天上の世界があると考えられていた。天帝は天上の世界の一番えらい神様。おりひめは天帝の娘。
* ギリシャ神話で、神・ゼウスが生まれたばかりの息子・ヘラクレス(後の英雄)を不死身にしてやろうと、女神・ヘラ(ゼウスの正妻でヘラクレスの義母)の寝ている間に母乳を飲ませたところ、起きてしまったヘラがおどろいてヘラクレスをつきはなした際に、母乳がほとばしって天にミルクの川が作られた……という言い伝えがある。
撮影:飯島 裕(撮影地:オーストラリア)
※「ステラナビゲータ11」によるシミュレーション画像
※「ステラナビゲータ11」によるシミュレーション画像をもとに作成
画像提供:NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (SSC/Caltech)
天の川銀河の直径は約10万光年。太陽系(太陽を中心とした地球などの天体の集まり)から天の川銀河の中心までは約2.8万光年*。中心が棒状のうずまきは銀河の代表的な形。
* 光の速さで1年かかる距離(約9.5兆キロメートル)
※NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (SSC/Caltech)の画像をもとに作成
画像提供:NASA, ESA, and J. Lotz, M. Mountain, A. Koekemoer, and the HFF Team (STScI)
※実際は1〜6の間は、外側に行くにつれて飛躍的に広がっている
昔の人は、すべての天体は自分たちの住んでいる場所から同じ距離にあると考えていた。天文学者たちの研究によって、宇宙は広大な奥行きのある空間で、太陽は無数の星の一つでしかないことがわかった。
用語まとめ
参考:「日本公開天文台協会」のWebサイト
https://www.koukaitenmondai.jp/明治時代以前までは月の満ち欠けで暦を数える太陰太陽暦(旧暦ともいう)が使われており、新月(月齢0才)の日を月初めの日としていた。国立天文台は、もともと七夕の行事が行なわれていた太陰太陽暦の七月七日を「伝統的七夕」とよんでいる。
夜9時ごろのようす。天の川はベガ(おりひめ星)とアルタイル(ひこ星)の間に見える。ベガ・アルタイル・デネブは1等星でとても明るく、その3つの星を結んで夏の大三角形という。大阪では20分後、福岡では40分後に同様の星空になる。土星と木星は2019年8月1日の位置。
参考:伝統的七夕の日一覧(国立天文台のWebサイト)
https://www.nao.ac.jp/faq/a0310.html北半球の夏…夜に銀河の中心方向(明るい天の川)が見える。
北半球の冬…夜に見えるのは銀河の中心方向とは反対側(星が少なくて天の川が暗い)。
地球は太陽のまわりを1年かけて回るから、季節によって夜空で見える方向は変わる。
川口雅也
天文雑誌『星ナビ』編集長