ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論バンカーショットの基本|
正しい打ち方とよくある間違い

2014.01.30

バンカーショットが苦手なゴルファーは多いですよね。「せっかく調子が良かったのに、バンカーで大叩きして結局ひどいスコアになっちゃった…」などというボヤキをよく聞きます。実際、「プロとアマの最大の違いはバンカーショット」といわれることもあり、ツアープロのサンドセーブ率(バンカーから2打以内でホールアウトする確率)が約50%なのに対し、アベレージゴルファーのサンドセーブ率は10%もないのではないでしょうか。

いったいなぜ、アマチュアゴルファーはこれほどまでにバンカーが苦手なのかというと、何と言っても練習不足という大きな理由があります。バンカーショットを練習する機会はコースに行かないとありませんし、その日プレイするコースにバンカー練習場があっても、やらない場合が多いのではないでしょうか。

その上に、正しい打ち方を知らない、あるいは誤解しているゴルファーが多いという事実もあります。たとえばバンカーショットは鋭角に打ち込むものだと思っていませんか? そう思っているとしたら大きな誤解です。上から鋭角に打ち込んでしまうとクラブヘッドが砂に潜ってしまいボールは飛びません。低いところからクラブを入れるのがバンカーショットの基本。こうすることでソール(バンス)が効き、クラブヘッドが加速するのです。

フェースを開いておいて低い位置からヘッドを入れればバンスが効き砂に潜らない

フェースを開いておいて低い位置からヘッドを入れればバンスが効き砂に潜らない

上から鋭角に打ち込むとクラブヘッドが砂に深く潜ってしまい振り抜けなくなる。これがザックリのメカニズム

上から鋭角に打ち込むとクラブヘッドが砂に深く潜ってしまい振り抜けなくなる。これがザックリのメカニズム

また、アウトサイドインのカット打ちをするというのも誤解です。ピンがすぐ近くの場合にこういう打ち方をする場合もありますが、基本は通常のアプローチと同じようにクラブヘッドが円を描くように振ります。アウトサイドから振り下ろすと距離が出ませんし、なおかつ上から打ち込んだりしたら、それこそ1ヤードも飛ばないなんてことになりかねません。脱出できずに悩んでいるような場合、アウトサイドインに振ることは事態をより悪化させるので要注意です。

アウトサイドインに振ると砂が取れ過ぎてボールは飛ばない。また、フェースを開いたままフォロースルーを出すこともザックリの大きな原因になる

アウトサイドインに振ると砂が取れ過ぎてボールは飛ばない。
また、フェースを開いたままフォロースルーを出すこともザックリの大きな原因になる

では正しい打ち方はというと、まずはクラブフェースを開くことですね。いつものようにグリップしてからフェースを右に向けるのではなく、フェースを右に向けておいてからグリップするようにしましょう。ちなみになぜフェースを開くかというと、「バンス」というソールの下の膨らみが、フェースを開くことで出っ張るからですね。出っ張ることでクラブヘッドが砂に潜ってしまうのを防いでくれるわけです。(→「アプローチでフェースを開く理由は?意外と知らないダフリの原因」)

フェースを開いてインサイドインに振ればバンカーは脱出できる。フォロースルーで自然にフェースターンさせることも重要

フェースを開いてインサイドインに振ればバンカーは脱出できる。
フォロースルーで自然にフェースターンさせることも重要

フェースを開いたら、両ヒザを折って重心を低くし、ハンドダウンに構えます。こうするとスイング軌道がフラット(横振り)になり、よりバンスを効かせやすくなるからですね。後はいつものように振って、ボールの手前を少しダフらせるだけです。アウトサイドインに振ったり、上から打ち込もうとしたりしなければ、これだけで簡単に脱出することができますよ。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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