ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論スイングが良くなる体幹トレーニング PART2

2018.11.15

前回に引き続き、今回もスイングを通して安定した姿勢を維持できるようになる体幹トレーニングをご紹介します。

ゴルフスイングには日ごろの姿勢や動作が反映されてしまいます。たとえばデスクワークが多い人は猫背になりやすいですが、ゴルフのアドレスでも同じように猫背で構えがちです。またスイング中には側屈しながら回旋を行う「側屈回旋」という動作を行いますが、日々の生活でその動作を行うことはあまりないので、いくら練習しても欧米のプロのようなスイングにはならないのです。つまり、正しくアドレスし正しくスイングするためには、ふだんから姿勢を維持する筋肉を鍛え、スイングに必要な動作を行っておくことが大切です。

猫背は胸椎自体が丸くなっている場合もありますし、股関節が固くて骨盤が後ろに傾くことで猫背になる場合もあります。いずれにせよ腹筋が弱いと背中は丸くなってしまうので、腹筋を鍛えることが必要ですし、上半身と下半身をつなぐ唯一の骨である腰椎を安定させるためには、それを取り巻く腹壁を鍛えることです。また前傾姿勢を維持するには腸腰筋が大きな働きをしているので、腸腰筋も鍛えておかなければなりません。要は体幹を安定させておくということであり、そのためのトレーニングがゴルファーには必須です。

切り返しでクラブを背中側に倒すのはアマチュアが最も苦手とする動作ですが、これに関しては体幹についている筋肉の柔軟性が必要です。よく言われるように肩甲骨の可動域が大きければいいかといえばそうではなく、その動きを制限する胸椎が固まっていると肩甲骨は動かせません。ですから胸椎のアライメントおよび可動域を増やすこと、広背筋や僧帽筋といった肩甲骨周りの筋肉の柔軟性を高めることがクラブを背中側に倒す動作を可能にするわけです。

今回紹介するエクササイズには難易度の高いものもありますが、決して無理をせず、できる範囲内で行ってください。

トレーニング1

カールアップ

上半身と下半身をつなぐ腹筋を鍛える
腹筋の強化と背骨の柔軟性向上に効果のあるエクササイズです。腰への負担が少ないので毎日行うのに適しています。斜めの動きを入れたステップ2では腹斜筋を鍛えることができます。

●ステップ1

①両ひざを曲げて仰向けになる。両手のひらを床に向け、胸の高さまで浮かせておく。
②腹筋に力を入れて上体を起こし、背中が丸まり切ったところで10秒間停止する。
回数:10回

●ステップ2

①両ひざを曲げて仰向けになり、両手を天井にまっすぐ伸ばし、手のひらを合わせる。頭は軽く浮かせておく。
②腹筋に力を入れて上体を起こすと同時に、手のひらをひざの左に持っていく。
③元の姿勢に戻ったら、②と同じように今度は手のひらをひざの右に持っていく。
回数:10回

トレーニング2

スクワット

スイングの土台となる太腿やふくらはぎの筋力強化
スイング中にぐらつかないためには体幹と下半身の強化が必須ですが、そのために最も効果的なのがスクワットです。体重を落下させてしまうと意味がなくなるので、必ず筋力を使って下半身を沈めるようにしましょう。

①前傾姿勢をとり、胸の前で腕を組む。
②ヒザがつま先よりも前に出ないように、かかとに重心をかけたままお尻を下げる。
回数:10回

トレーニング3

オーバーヘッドスクワット

全身をバランスよく鍛える
スクワットに両手を上げる動作を加えることにより全身をバランスよく鍛えることができます。

①前傾姿勢をとったら両腕を上げ、耳の横でしっかりキープする。
②腕のポジションをキープしながら、お尻を後ろに引くようにゆっくりしゃがむ。
回数:10回

トレーニング4

シングルレッグスクワット

アドレスの安定感をさらにアップさせる
片足で行うスクワットはさらに難易度が高くなりますが、重力でお尻を落とすのではなく筋力で足首とひざを曲げていくのがポイントです。足にかかる負荷が倍増すると同時に、上体のバランスを維持するために必要な各部位の筋力強化にも効果があります。

①前傾姿勢をとったら床と平行になるよう両手を正面に伸ばし、左足を浮かせて右足だけで立つ。
②鼻から息を吸いながら、顔を正面に向けたままお尻を後ろに引くようにゆっくりとしゃがむ。重心を落とせる限界まで行ったら、口から息を吐きながら元の体勢に戻る。
回数:左右10回ずつ

トレーニング5

コブラ

肩甲骨の可動域を増やす
広背筋の強化と肩甲骨まわりの可動性向上に効果のあるエクササイズです。

①うつ伏せになり、背中をやや反らしながら両腕を浮かせてまっすぐ伸ばす。
②肩甲骨を真ん中に寄せるようにしながら両ひじを曲げ、手を耳の横に持っていく。数秒間停止したら元のポジションに戻る。
回数:10回

トレーニング6

ランジ

下半身の筋肉をバランスよく鍛える
下半身トレーニングの基本的種目で、大腿四頭筋、ハムストリング、臀筋群などをバランスよく鍛えることができます。

①直立して両手を胸の前で組む。両足を肩幅に開いたら右足を一歩半前に踏み出す。
②右ひざが直角になるよう曲げていき、右太ももの裏が床と平行になるまで腰を落とす。右ひざがつま先より前に出ないように行う。
回数:左右10回ずつ

トレーニング7

サイドランジ

内転筋と殿筋群を鍛え骨盤を安定させる
ももの内側の筋肉(内転筋)と殿筋群を主に鍛えるエクササイズです。

①直立の姿勢から両足を大きく開く。両手は胸の前で組んでおく。
②右足に重心を移し、ひざを曲げて腰を落とす。このとき右ひざがつま先より前に出ないようにする。左足はまっすぐ伸ばし、数秒間停止したら元の状態に戻る。
回数:左右10回ずつ

トレーニング8

ダウンドッグ

足首の柔軟性を高めアドレスを安定させる
ヨガの代表的ポーズであるダウンドッグは体全体の安定感をアップさせるとともに、太腿の後ろとふくらはぎ、足首をストレッチします。特に足首が固いとアドレスが不安定になるので、動的要素を加えて念入りにストレッチしましょう。

①四つん這いの状態からお尻を上げて両ひざを伸ばす。体が真ん中から折れるように三角形を作る。
②右ひざを曲げて右足かかとを浮かせながら左足かかとに圧をかけて、足首をストレッチする。
③今度は左足かかとを浮かせて、右足の足首をストレッチする。
回数:左右10回ずつ

トレーニング指導
「タイカンズ」チーフトレーナー中川祥太郎

NSCA-CSCS、NASM-PES、NLPプロフェッショナルコーチ。オリンピック選手も指導できるストレングストレーナーで、これまでに1万人以上のアマチュアを指導している。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

撮影:阪上恭史 協力:タイカンズ新宿御苑店

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