試合後の選手たちを直撃!!
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今年も10月4日(金)~6日(日)にスタンレーレディスホンダゴルフトーナメントが東名カントリークラブで開催されました。Honda契約の笹生優花、岩井明愛、岩井千怜選手も出場し、大会は大盛り上がり。ギャラリープラザも連日大勢のギャラリーで賑わいましたが、Hondaブースでは「屋根裏のプロゴルファー」としてお馴染みのタケ小山プロやクラブデザイナーの宮城裕治さんを招いてトークイベントが行われました。ブースではまた、トークのお相手を務めたHonda GOLF小林一人編集長作成のゴルフクイズを実施。全問正解者にはHonda GOLFオリジナル 保冷バッグがプレゼントされるとあって、大勢のギャラリーがクイズに挑戦!ブースの周りには人が途切れることがなかった3日間でした。
ここでは「ゴルフナレッジを高めよう!」をテーマに行われた全6回のトークイベントのハイライトやブースで実施したクイズをご紹介します。
2024.11.21
小林私にとってスタンレーレディスホンダゴルフトーナメントはかつて運営スタッフとして参加していたこともある縁の深い試合なんですが、物凄い数のギャラリーが集まりましたね。
タケ1980年に始まった歴史のある大会だということもあるけれど、舞台となる東名カントリークラブがゲームを見やすい「スタジアムコース」だということが大きいですね。どのホールでもショットしたボールの落ち際が見えるし、グリーン上でボールが転がっていく様子を目で追うことができる。それにギャラリーは興奮するんですよ。
小林確かにティーイングエリアで見ていてもボールの行方を追えるホールが多いし、上がりの18番ホールはグリーンの周囲の地形が天然のギャラリースタンドになっていて、グリーンのアンジュレーションもよく見えますもんね。
タケ歴史のある名門コースは砲台グリーンが多いから、グリーンをキャッチするところやパッティングが見えない場合が多いんですよ。それに対し、東名カントリークラブはトーナメントを想定して造られているから見やすいんです。このようなスタジアムコースの元祖はアメリカのフロリダ州にある「TPCソーグラス」だということは覚えておいてくださいね。PGAがツアーを開催するためにピート・ダイに依頼して造ったコースで、17番パー3のアイランドグリーンが有名だけれども、できた当初は「難しすぎる」と評判は散々でした。いまでは定着して表立って文句を言う選手はいないけれども、見る側にとっては物凄く興奮するし、観戦が楽しくなることは間違いありません。
ゴルフトーナメントに関する深い知識を披露するタケ小山プロ。
トークイベントの進行とクイズ作成を担当した小林編集長。
小林クイズで間違いが多かったのが「ピンハイ」の意味は? という問題なんですが、「ピンハイ」をピンの奥だと思っているゴルファーが物凄く多いことがわかりましたね。
タケこれはプロゴルファーも勘違いしている人がいるから困りものなんですよ。過去に有名選手がテレビのインタビューで「ピンの奥」という意味で「ピンハイ」を使ったことがあって、それも影響していると思います。間違っている人はおそらく、ピンハイの「ハイ」を「ピンよりも高いところ」だと勘違いしているんでしょうね。
小林「ハイ(high)」の意味を汲むと「ピンの奥」がしっくりきますもんね。
タケでも実際には「ハイ(high)」というよりも「ハイト(heght)」という意味合いなんです。英語で体重を「ウェイト(weight)」、身長を「ハイト(heght)」といいますが、こっちに近いですね。「ピンの身長」っていうと変だけれども、ピンと同じ高さにボールがあるという意味なんですね。
小林ピンの横に乗っても、2段グリーンなどではピンとボールのある面が違うこともありますから選択肢にあった「ピンの横」は不正解なんです。
タケそもそも欧米では「ピン」だって通じないですよ。ピンフラッグです。
小林ゴルフでは和製英語がけっこうありますね。「ショートホール」がその最もポピュラーなものだと思います。
タケショートホールは文字通り「短いホール」のことで、パー3ホールを意味しません。同様に「ミドルホール」「ロングホール」も海外で使ったら「???」ってなりますよ。「パー4」「パー5」と言いましょう。
小林もう1つ間違いが多かったのが最後の「男子ツアーの予選を通った女子選手は?」という問題でしたが、みなさん「ベーブ・ザハリアス」を知らなかったようですね。
タケアニカ・ソレンスタムと答えた人が多かったけれども、彼女が2003年に男子ツアーに挑戦したことはみなさん知っていたんですね。でも残念ながら予選は通っていません。挑戦したのは「バンク・オブ・アメリカ・コロニアル」という試合だったんだけど、舞台となったコロニアルというコースはPGAツアー開催コースの中でも距離が短いことで知られていて、彼女としては満を持しての挑戦だったんです。その2年後に16歳のミッシェル・ウィーが日本のカシオワールドオープンに出場したけれども、やはり予選突破はならなかった。このことを知っていれば、ベーブ・ザハリアスを知らなくとも消去法で正解に到達することができますね。
小林ベーブ・ザハリアスはとにかく凄いアスリートで、1932年のロサンゼルスオリンピックに陸上選手として出場していて、やり投げと80メートルハードルで金メダルを取っているんです。その後ゴルフに転向すると女子ツアーでは敵なしで、1945年に挑戦した男子ツアーのロサンゼルスオープンで見事予選を突破します。もちろんゴルフ殿堂入りしている名選手ですから、女子プロのファンはぜひ知っておいていただきたいですね。
ベーブ・ザハリアスってどんな人?
ゴルフ偉人伝「ベーブ・ザハリアス」〜史上最強の女性ゴルファータケ日本では「予選落ち」というけれども、欧米では「落ちる」というネガティブなニュアンスがなくて、「make the cut(予選通過)」といいます。つまり「予選のカットラインを突破した」というポジティブな意味で、試合のフィールドに立っているのはすでに競争を勝ち抜いてきた選手ということなんです。これもぜひ知っておいてください。
第1ラウンドが行われた10月4日の2ステージ目はタケ小山プロと宮城裕治さんが登壇し、クラブに関するディープな話が展開されました。宮城さんが語る「クラブデザイナーの視点からのクラブ選び」は目からウロコです!
タケ宮城さんはアマチュアやプロに対して日々、クラブに関するアドバイスを行っている立場だと思いますが、ゴルファーが知っておくべきことって何ですか?
宮城使う基準をはっきりさせることだと思います。みなさん弾道測定器のデータが良いクラブを使おうとしますけれど、そういうものではありません。なぜなら飛距離が出たからといってコースで球をコントロールできるとは限らないからです。特にアマチュアは測定器の前でできたスイングがコースでできるとは限らないじゃないですか。大事なのはスイングを良くしてくれるクラブであり、スペックなんですよ。ドライバーでいえば、フルスイングで最大飛距離を叩き出すものではなく、置きに行くスイングでコントロールできるクラブを選んだほうがいいですね。
タケなるほど。アイアンだと番手間で距離がきっちりフローすることとかが基準になりますか?
宮城それも数字じゃないですか。そういうことではなく、気持ちよく振れて、なおかつ感覚を出せるクラブを使うべきだと思います。よくお客さんが「残り100ヤードをきっちり打てるクラブが欲しい」とか言うんですが、フルスイングで100ヤード打つことってほとんどないじゃないですか?
フルスイングは95ヤードでも105ヤードでもいいから、感じを出して100ヤード打てることが大事です。クラブ選びに関してはデータとかメーカーの説明とかは関係ありません。自分を信じてあげて、自分がいいと思ったら使う、悪いと思ったら使わない、それでいいと思います。
タケ小山プロは2ステージ目にも登壇。
お相手はトッププロのクラブを造り続けてきたクラブデザイナー宮城裕治氏。
タケ14本あるクラブのうち、どのクラブから選べばいいですか?
宮城ドライバー、アイアン、ウェッジ、全部別物と考えてください。ドライバーとフェアウェイウッドもティーアップしている、していないの違いがありますから、別個に考えたほうがいいんです。注意すべきなのは、みなさんアイアンセットは7番アイアンを打って決めますけど、7番って誰でも打てちゃうんですよ。7番の試打クラブが多いからそうなってしまいますが、5番を打って決めたほうがいいですね。5番アイアンが気持ち良く打てたらそのアイアンセットを購入してもいいと思います。
タケウェッジは使用頻度が高いから大事だと思いますが、どういう基準で選べばいいですか?
宮城ウェッジはボールスピードを落として使うものなので、アイアンとはまた違います。振って飛ばないことが大事で、飛んでしまうとチャックリも増えますから、速く振ってゆっくり飛ぶウェッジを選ぶといいと思います。
タケアマチュアはウェッジのダフリが多いですが、クラブで何とかできますか?
宮城クラブでもできますが、まずは構えですね。みなさんボール位置が右過ぎるから突っついてしまうんで、左足かかとに置いてください。そうすればソールが滑りますからダフリにはなりません。
ブースでは水素で走行するCR-V e:FCEVも展示しました。
ブースで実施したゴルフクイズをご紹介します。何問わかるか、ぜひチャレンジしてみてください。
みなさんは何問正解できましたか? イベントでは、全問正解者に特製保冷バッグをプレゼントしました。
参加賞のリフトティーつかみ取りは大好評。
文
Honda GOLF編集部 小林一人
Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。