宮里 藍プロ特集

Honda GOLF限定のインタビューや動画宮里 藍プロ スペシャルインタビュー 2012

SPECIAL INTERVIEW 2012 SPECIAL INTERVIEW 2012

アメリカツアー 7 年目、ツアー連戦中の宮里 藍プロを自宅のあるロサンゼルスに訪ね、Honda GOLF 単独のロングインタビューを行いました。
ゴルフのことはもちろん、アメリカでの生活や愛車 CR-V のこと、そして将来のことなど、包み隠さずに話してくれた宮里プロ。きっとみなさんの知らない「宮里 藍」がここにあります。 ※このインタビューは2012年7月に実施したものです。

2012.12.20

いつやめるかとかではなく、後悔しない自分の人生にはしていきたいですね。

自分の人生は自分が作る。

パッティングは宮里プロの武器だと思うんですが、コツとかってありますか?
今年面白いことがあって、いつも応援してくれているファンの方がいるんですけど、その人がパターカバーを持ってきて「大事なことを一言お願いします」って言ったんですよ。だから私「迷いなく打つ」って書いたんですね。そうしたらその人がパッと裏返して、「実は上田桃子プロも同じことを書いたんです!」って。「えっ?」と思って見たら「迷いなく打つ」って桃子の字で書いてあって、パターはやっぱり迷いはダメだな、ってそのときは思いました。みんな同じことを思ってるんだ、って。
プロの選手はグリーン上で迷いが出てくるものですか?
パターってドライバーとかと違って、小さい11センチ足らずのホールに入れなきゃいけないので、どのショットよりも一番プレッシャーがかかるんですよ。でも入れ方は幾通りもあるじゃないですか。イメージとか、そのときのフィーリングでも変わってくるし、たとえば下りのフックラインだったらどれぐらいの強さで打って、どれぐらい膨らませて、って考える場合もあるし、強めに打ってまっすぐ狙うということもできますよね。要は入れ方が幾通りもあるから迷うんですよ。
それに他のショットは多少ミスしてもグリーンには乗るというような許容範囲があるんですけど、パッティングには許容範囲がないので、迷いはよくないと思いますね。ですからパッと構えて、自分が一番イメージできるタッチとラインで迷いなく打つようにしています。あとは打つ前のルーティーンがいつも同じであるということはすごく大事だと思います。どのシチュエーションでも、1番ホールのバーディパットでも、18番ホールのウイニングパットでも同じルーティーンで打てるということが私の中では重要で、練習と同じように入れるってことですね。重要なパットだからいきなり時間をかけるということはないです。つねに同じリズム、同じテンポで打てることを意識していますね。
なんか凄い秘密を教えてもらった気がします。入れごろはずしごろの2メートルがすべて入る印象がある宮里プロのアドバイスだけに貴重ですね。
入らないですけど、その印象はありがたいですね。
グリーンの外からもよく入るじゃないですか。アプローチでも入ると思って打っているんですか?
チップインはよくしますね。入るイメージはありますけど、全部が全部入るイメージでは打っていないです。
バンカーからも狙っている感じがしますけど。
バンカーは意外と下手です。グリーン周りのバンカーは大丈夫ですけど、40~50ヤードのバンカーは難しいですよね。私、隙いっぱいありますよ。
え? 隙のないのが宮里藍というイメージですけど。
めちゃめちゃありますよ。練習不足いっぱいあります。隙だらけ(笑)。
そうなんですか? マッチプレーとかしたら嫌なタイプだと思いますけど。
今年は1回戦で負けました(笑)。でもマッチプレーは楽しいですよ。ただ18ホールで決着つけなきゃいけないので難しいです。それにランキングとか全然関係なくて、そのとき調子のいい選手が有利だし、目の前の選手に勝たなければならないので、ふだんのプレーとは違いますね。
マッチプレー用のプレースタイルがあるんですね。
ふだんはいかに自分のプレーに集中して、自分がベストを尽くせるかですけど、マッチプレーは勝負に徹しないと負けちゃいます。対戦相手と仲が良いと勝負へのこだわりは緩くなってくるものだし、そこをちゃんと割り切って勝負できるかどうかですね。アメリカ人はそのへん凄いし上手ですよ。急に話さなくなったり、勝ちに貪欲です。
宮里プロ自身はそういうアグレッシブさはありますか? あまり感情を露わにするところを見たことありませんけど。
本当はクラブ折ってやろうかって思うぐらいのときありますけど、それはやっても何も解決しないとわかっているのでしないだけで、かなり感情的ですよ。
意外ですね。クラブは換えるほうですか?
クラブを換えるのはあまり好きじゃないです。特に換えなくていいのはパター。入らないときにポンと換えるのはいいと思いますけど、私は換えてうまくいったことがありません。気分転換に一日だけというのはありますけど、基本換えませんね。そういえばこの前3年ぶりぐらいにパターのグリップを交換しました。キャディーに「これはヤバい、換えたほうがいいよ」って言われてようやくです。
いつもピカピカにしているタイプだと思っていたので意外です。実際に聞いてみないとわかりませんね。
さすがにウエッジ系は換えますよ。私にとってショートゲームは重要ですし、溝はどうしても擦り減ってしまうので、頻繁に、っていっても3,4か月に1回ぐらい換えています。
それでは最後の質問です。今後自分がどうなっていくかをどうイメージしていますか? たとえば何歳で引退したいとか、そういうプランみたいなものはあるんでしょうか。
自分の中に今後のイメージはありますけど、それに沿うかどうかはわからないですよね。引退とかは、人それぞれだと思うので。というのはどこで自分で「ああもういいかな」と思えるかだと思うんですよ。私の場合はまだメジャーチャンピオンっていう大きな目標を達成していないので、引退は考えてないですね。オリンピックにも出たいし、自分の中ではまだ、これをやりたいというのがいっぱいあるんです。ただロレーナ(オチョア)の場合は、あまりにも早すぎる引退だなと思ったんですけど、引退した後の彼女に会ってみると、ああ、いいタイミングで彼女はやめたんだなと思えるんです。そう感じるってことは彼女に後悔がないってことだし、母親になって、第2の人生を心から楽しめているからですよね。もちろんジュリー・インクスターみたいに長く続けることもカッコいいし、彼女のように情熱をいつまでも持ち続けられるって凄いと思いますけど、稀なケースだとも思うんです。いずれにしても、いつやめるかとかではなく、後悔しない自分の人生にはしていきたいですね。

フォトギャラリー

※画像をクリックすると拡大表示されます。

「宮里 藍プロ特集」一覧へ