クロダイ
分類
スズキ目スズキ亜目タイ科ヘダイ亜科クロダイ属
学名
Acanthopagrus schlegelii
別名
チヌ(関西以西)、カワダイ(北陸)など。出世魚であり、関東ではチンチン→カイズ→クロダイと呼称が変わる
分布
北海道以南の日本各地。ただし奄美大島以南の南西諸島には見られず、それらの地域ではミナミクロダイ、ナンヨウチヌ、ヘダイといった近縁種が分布する。
大きさ
最大で70cmほど。釣りでは20~50cmがおもなターゲットになる。
釣期
ほぼ周年で、ベストシーズンは3~5月と10~11月。また、堤防の落とし込み釣りでは真夏が最盛期となる。
棲んでいる場所
水深50m以浅の沿岸域に生息するため、タイ科の魚では珍しく、陸の磯や堤防からねらう釣り方が多い。汽水域でも生活できるので、河口付近も釣りのポイントになる。
生活史
関東地方での産卵期は4~5月。5日ほどでふ化した稚魚は活発にエサを食べ、秋までに手のひらサイズに育つ。これは関東でチンチンと呼ばれ、ハゼ釣りの外道などで掛かる。冬は水深5~10mに落ち、春には15cmほどになって再び浅場にくる。この時点で性成熟するオスもいるが、多くは2~3歳で成熟し、大きさは30cmほどになる。
特徴
クロダイは性転換する魚として知られる。性別のはっきりしない時期や両性魚の時期を経て、成長すると一部を除いてメスになる。
警戒心が強く、釣り人には人気のターゲット。二枚貝類、甲殻類、多毛類をおもに捕食するため、釣りエサにも同じものを使う。ただし海藻や小魚を食べる場合があり、コーンやスイカをエサにしてねらうこともある。
主な釣り方
磯や堤防ではウキフカセ釣り、落とし込み釣り、ダンゴ釣り、投げ釣りなど。湾内に設置されたイカダ、係留された専用の船(カセ)からはイカダ釣り、カセ釣りでねらう。
美味しい食べ方
淡白な白身で美味だが、生息環境によっては磯臭さを感じることもある。刺身や塩焼き、煮付けなど和風料理のほか、ムニエルやアクアパッツァなどにしても美味しい。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。