平安時代の昔、平清盛が熊野詣のために海上を移動していた時、大きなスズキが跳ねて船に飛び込んできたそうです。
すると同船していた従者が、「これは吉兆。さっそく料理してお召し上りください」と進言したといわれています。
この時の理由は、古代の中国の王様に、飛び込んだ魚を食べて出世した人がいたからなのですが、釣りをする人の場合、わざわざ「大きな」という言葉がなくても、「スズキ」と書かれているだけで、実はある程度の大ものを想像します。
釣りでおなじみの魚には、成長するにつれて呼び名が変わるものがいます。「出世魚」がその代表格ですが、それ以外にもけっこういます。
東西(関東方面・関西方面)で言い方が違っていることもあるので、多少は戸惑うこともありますが、釣りの情報を収集する際も役立つので、ぜひ覚えてみてください。
以下の2つはなかでも出世魚の代表格。
ちなみに大きさは目安となるもので、絶対的な基準ではなく、もっと細かく分類することもありますが、釣り人がよく使うものを紹介します。
ちなみにシーバスはスズキのことで、シーバスという時は大きさに関係なく使われるため、実際には「フッコサイズのシーバス」と言った表現がされたりします。
ボラも細かく名前が変わります。「とどのつまり」という慣用句の元になっていることでも知られていますが、以下は主に釣り人の目から見た時の使い分けです。
ハクはもともと関西での呼称です。しかし、現在では情報もボーダレスに行きかうので、釣りに役立つ表現なら地域を問わず使用される傾向があります。河川の下流域に入ってくるボラの幼魚の群れは、ギラギラと白銀に光ってよく目立ちます。シーバスをねらう釣り人なら、ハクが見られるという状況がそのまま釣り場選びやルアー選択の参考になります。すると便利な用語として、新しい地域でも使われるようになるわけです。
ほかにも出世魚とはされていませんが、特に幼魚について特定の名前が用いられる魚がいます。
これらの幼魚は、釣りをしているとよくエサに食い付いてきます。ただ、「〇〇(ヒラメ、マダイ、カンパチなど)が釣れた」と言ってしまうと、立派な成魚が釣れたと思われてしまうので、誤解を避けるために区別して呼んでいるわけです。
釣魚の多彩な呼び方を覚えれば、釣りの情報収集や情報発信がより正確にできます。
この機会にぜひ覚えてみてください。