
日本に全部で8つある「海なし県」出身で、子供の頃から川釣りに親しんで来た加藤るみさんが、そのすべての県に出かけ、その場所ならではの魚たちを追い求める旅に出発! 時にはその道のエキスパートに助言も仰ぎながら、ジャンルもフィールドも全く違う数々の釣りに、体当たりでチャレンジしていきます。一人のアングラーとしての成長もめざすこの旅。全8県の水辺を釣り尽くした時、彼女が見つける〝新しい景色〟とは?
第2回は、滋賀県の琵琶湖でハスをねらいます。琵琶湖の本湖と流入河川の間を移動しながら、主に6~8月にかけて、流入河川の下流部やその周辺の浜で釣れるようになるハスは、近年、釣り人の間で人気急上昇。一方で群れに出会いルアーへの反応を引き出すには、技術やタイミングも必要です。日本一の湖を象徴する、色鮮やかな魚との出会いを目指します!
こんにちは、加藤るみです。日本の海なし全8県を巡りながら、各地で魅力的な川釣りにチャレンジさせていただく旅。次は何に挑戦するか? Honda釣り倶楽部の「釣魚図鑑」を見ていたら、とっても気になる魚がいました!
それがハスです。私も名前は知っていましたが、特にここ数年、初夏になると「釣れた!」というSNSの投稿を目にする機会が増えていて、「どんな魚なのかな? どうやって釣るんだろう?」と思っていました。
まず興味を引かれるのは、川魚の中でも大きく立派な姿。そしてまるで虹のように複雑で鮮やかな体の色です。こんな魚、ほかには見たことがない! そして「コイ科の魚には珍しく魚食性が強い」とも書いてあり、さらに興味が湧いてきました。
ハスは日本一の湖である琵琶湖やその周辺の川が原産地だそう。釣りも主に琵琶湖の浜や流入河川で楽しまれているとのこと。琵琶湖はもちろん、海なし県の1つである滋賀県にあります! これはもう絶対に挑戦しなければ、ということで、期待を胸に出かけて来ました!
詳しくお聞きすると、琵琶湖のハス釣りは今がハイシーズン。例年、6~8月頃が釣れる時期だそうです。理由はそれまで琵琶湖の沖にいたハスが、産卵行動のために砂礫の浅瀬がある湖の流入河川や、その周辺の浜に集まってくるため。その時、ルアーでタイミングよくねらうと、フィッシュイーターでもあり、ナワバリ意識も高くなっているハスが食いついて来るのだとか。つまり釣り方はルアーフィッシングです。
ただ、この釣りは運とタイミングも大事なのだとか。ハスはとっても気まぐれで、昨日までたくさんいた場所に、次の日に出かけると1尾もいない……なんてことがあるからです。雨が降って川の水が濁ると嫌がるといった明確な理由のほかにも、「何も変わっていないのに消えた」ということが普通に起きるのだとか。
「そればっかりは、運なんですよね~。私にもどうしようもありません(笑)」って、先生、いきなり私が試されているってことですか! しかもルアーフィッシングはあまり経験がなく、スプーンやミノーといったルアーを使うのも久しぶり。果たして無事に釣れるのか、ちょっと緊張します!
キャストもまだぎこちない状態だったのに、うれしすぎるファーストフィッシュです! でもこの時、実は先生が直前に「ルアーを少し重い、大きめのものに替えましょう」とサポートしてくれていました。思ったより風が強く、その影響でサオをしっかり曲げてルアーを飛ばす感覚がつかめていなかった私のようすを見て、より釣りがしやすいセッティングを考えてくれていたのです。