渓流釣りにおいて、釣果以前に悩ましいのが川までのアプローチだ。
初めての川なら、入渓点を探すだけで時間がかかってしまうこともある。
その中で注目する人たちがいたのが、釣り場での自転車利用だが、さらに最近は林道のアップダウンもラクな電動アシスト付きが広まっている。
盛期を迎えた渓流で、実際のメリットを体感してみた!
渓流で釣りをするのは意外と難しい!
人里離れた清冽な流れに身を浸し、美しい魚たちとの出会いを楽しむ渓流釣り。
川の中の一定区間を選んで入ったら、魚がいそうな場所でサオをだしながら、じっくり時間をかけて釣り歩いていく。
「この淵を越えたら、次はどんな流れになっているのだろう?」
そんなワクワクは、釣り人を常に上流へと駆り立てる。
ただ、渓流釣りには「移動」の問題がつきまとう。
最も基本的なのは、「どこまでクルマで行けるのか?」の見極めだが、そこをクリアしたとして、そもそも釣りをスタートする地点(川に入る入渓点)をどこにするのか? 釣りを終え川から道に上がる場所はどこにするのか?トータルで歩く距離はどれだけになるのか?(時間や体力は間に合うのか)を判断しなければならない。
テンカラ釣りで初めての川へ!
そうした悩みを解消する選択肢のひとつに自転車がある。
もちろん、釣り場によっては、すべての移動をクルマでカバーできてしまう場合もあるし、逆に最初からほとんどの区間を歩くしかない場合もあるが、「クルマ+自転車+徒歩」という手段に可能性を感じている人は少なくない。
テンカラ釣りをメインに渓流釣りを楽しむ大沢健治さんもそんな一人。ときに自転車も活用するスタイルを取り入れて、全国のフィールドに出向いている。
今回大沢さんが訪れたのは、自転車も走行できる林道が川に沿って走っている長野県内の渓流。下調べをした限り、渓流魚がいる川であることには間違いないのだが、大沢さんにとっては初めての川になる。
※走行中は安全のため、シートベルトをお締めください。
大沢さんが立てたプランはこうだ。
①自宅を出発。釣り場となる川の下流部までクルマでアクセスする
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②e-Bikeに乗り換えて林道を上り、入渓点&退渓点を確認
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③退渓点にe-Bikeを停めておき、入渓地点まで林道を徒歩で下る
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④川に入渓し、退渓点までじっくり釣り上がる
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⑤退渓点に来たら川から上がり、e-Bikeに乗ってクルマまで楽々帰還!
しっかり時間をかけて、
釣りをする区間を品定め
「誰でも川に降りやすいところは、魚影が薄くて明らかに釣れにくいことがよくあります。できればそれとは反対の、魚がよく釣れそうな“おいしい区間”を自分の目で見つけたいですね」と大沢さん。
やがて下見を終えた大沢さんは、この日の入渓点と退渓点を決定。最初に退渓点と決めた場所にe-Bikeをデポすると、入渓点まで林道を300mほど歩いて下り、そこからちょっとしたヤブを抜けて川を目指した。