スマチャリをフル活用する天然アマゴのテンカラ釣り(2ページ目)

いよいよ川へ。
初場所チャレンジの釣果は
期待以上!

誰もいない流れに到着。自分の目で選んだ場所ではたして魚は釣れるのか?

下見の時点でちらりと見えていた流れの際にたどり着くと、目の前にはしっかり水量のある川が流れていた。期待を胸にさっそくザックに入れていたテンカラザオを延ばす。

テンカラは日本の各地で昔から受け継がれてきた和式毛バリ釣りで、近年はフライフィッシングの本場であるヨーロッパやアメリカでも「TENKARA」としてファンを増やしている。

サオは延ばすと3.6mあります。釣り場によって長短を選びますが、3.6mは最も出番が多い標準的な長さ。そのサオの先にフロロカーボンのレベルラインを繋いだら、あとは毛バリを結ぶためのフロロカーボン0.6~1号のハリスを1m接続し、最後に毛バリを結べば準備完了です。

サオ、ラインとハリス、毛バリの大きく3つの道具だけで釣りができるのが、テンカラが渓流釣りの中でもシンプルな釣りといわれる理由です。
水中を漂う水生昆虫を模した毛バリを使って魚を誘い出すのがテンカラ釣り。水に沈むタイプの毛バリを使うのが基本だが、魚が表層のエサを好んで食べているような状況なら水面に浮くタイプの毛バリを使うこともある
釣り糸をカットするクリッパー、毛バリ、替えの仕掛けなどはフィッシングベストに収納して携行する
上空には青空。周囲はたくさんのトンボも舞い生命感があふれている

服は速乾性のあるアンダータイツの上に同じく速乾性のある短パンを履き、足もとは靴下を履いてネオプレーン製のウエットゲーター(ウエーディングシューズを履くためのネオプレーンソックスと膝や脛を覆うゲーターが一体になったもの)。いわゆるウエットウエーディングスタイルで、夏場以降の渓流釣りに適した動きやすい格好だ。

この川の魚のアベレージサイズや居場所の傾向もまだわからないので、まずは1カ所ずつていねいに毛バリを流して釣っていく。

最初に釣れたのはイワナ。比較的緩い流れの場所にいることが多く、サイズにかかわらず大きめの毛バリにもよく反応する
途中からはアマゴが多くヒットするようになった。イワナに比べると流れの速い場所や小さめの毛バリを好む傾向がある
テンカラ毛バリのバリエーション
大沢さんが「花笠」と呼ぶ毛バリ。蓑毛(ハックル)が笠のように寝た状態で取り付けられており、水面直下に沈めて使う
同じく沈めて使う「逆さ毛バリ」(写真右上)や、ビーズヘッドを付けて川底近くを流せるようにした毛バリ(写真中央)も用意
こちらはフライフィッシングでも使う水面に浮くタイプ。テンカラ釣りでは、これらの毛バリのサイズ違いで3本(フックサイズで10番、12番、14番)、色違いで3種類(黒系、茶色系、白系)を持っておくと幅広い状況に対応しやすい

最初にイワナが釣れたあと、上流に進むとある地点からヒレがピンと張ってコンディションのよいアマゴが連続して釣れるようになった。

標高もそれなりに高い場所にある川なので、イワナがメインになるかと思っていましたが、想像以上にアマゴが多いですね。とはいえ、初めての川で期待どおりの美しい魚が釣れて大満足です。
鮮やかな模様と透明感のある魚体。自分の目で釣り場を決め、こんな魚に出会えれば笑顔になる

ちなみに大沢さんは、釣りの途中で毛バリを変更していた。最初は「逆さ毛バリ」でスタートしていたが、アマゴが多いとみると「花笠」に変更。さらにその蓑毛を指でむしって量を少なくするボリュームダウンも施していた。

実はいかにも釣れそうな水量の多いポイントではあまり反応がなくて、ともすると素通りしてしまうような浅瀬のほうに、魚がより多く残っていました。つまりある程度スレていて、この区間も今日は先行者がいませんでしたが、手つかずというわけではなさそうです。

なので、より魚の警戒心をかいくぐれるように、毛バリのアピールも控えめになるようにしました。
テンカラ釣りでは、毛バリが流れているであろう付近を目で追い、何か違和感を覚えたら小さく手首を返してアワセを入れる
それが正解ならグンと手に魚の重さが乗る。この答え合わせが面白い
テンカラはシンプルな釣りとよくいわれるが、よく釣る人はこまめな調整や繊細なテクニックをやはり駆使している
今日釣れたアマゴも、秋までにはもう一回り大きく育ちます。そして産卵に参加すれば子孫も増える。ここではしっかり自然繁殖しているようなので、良好な釣り場環境がぜひ続いてほしいですね。

気づけば手にしたアマゴは優に10尾を超え、すべて元気なうちにハリを外して流れに戻した。やがて3時間ほど川を釣り上がったところで、e-Bikeをデポしておいた退渓地点に近づく。期待どおりの釣りができたこともあって、予定どおり川から上がることにした。

この日一番のサイズとなった25cmほどのアマゴ。流れに同化して泳ぎながら、大沢さんの流した毛バリに一発で食いついた

最後の最後まで疲れ知らず。
そんな釣りあり?

林道が走っている側の岸に上がり、生い茂る草地の中を通り抜ける。するとほどなく、見覚えのあるデポ地点に到達した。ひと安心といったところだが、最後に楽しみが待っている。

密かに楽しみにしていたe-Bikeでの林道下り。風を切って下る時間は爽快このうえない!

通常であれば釣りを終えたあとに必要となる「クルマを停めた場所までの長い林道歩き」がこの日は不要。水を吸ったウエーディングシューズの重さを気にすることもなく、下流の駐車スペースまで一気に戻る。

林道の途中には落石もあったので、スピードの出し過ぎやパンクには注意しますが、それでもこのラクさは一度味わったらやめられません。なんならもう1本別の川にも行けますね(笑)

控えめに言って、最高の渓流釣りスタイルではないだろうか。
さぁ、次はどこの川へ行こう?

「SmaChari(スマチャリ)」とは?

今回使用したe-Bikeは、Hondaが開発した「SmaChari(スマチャリ)」を搭載した「RAIL ACTIVE-e」というモデル。SmaChariは、自転車に取り付ける電動アシストユニットと、それに連動する専用のスマートフォンアプリにより、さまざまな自転車を電動アシスト化・コネクテッド化できるというサービスだ。

特徴はスマートフォンアプリ「SmaChari」で様々な機能が使用できること。アプリを立ち上げるとアシストユニットとBluetooth®で繋がり電源が入る。アプリによって個人に合わせたアシスト出力の最適化、速度など走行状態やバッテリー残量の表示、位置情報の共有、所有者情報の管理など、コネクテッド機能を活用したさまざまな機能・情報を利用できる
秀逸な機能のひとつが、走行に必要なアシストパワーを自動で調整してくれる「AIモード」。これが林道を走る釣り場の下見でもとにかくラク。坂道の途中から漕ぎ出してもスムーズに発進でき、逆に勢いよくペダルを踏み込み過ぎたときも急発進にならない
アプリでは走行ログも確認できる。移動したルートを地図で確認でき、実際に感じた距離感や時間感と照らし合わせれば今後の釣行の参考にも。写真は駐車スペースから下見区間の最上流部まで移動した際の走行ログ(※地名や日付は画像を一部加工)
テンカラ釣りの
わかりやすい入門動画はこちら
  • ※走行中は安全のため、シートベルトをお締めください。
  • ※安全のため、走行の際は後方視界をしっかり確保してください。
  • ※荷物は、必要に応じてラゲッジベルトなどでしっかり固定してください。
  • ※シートアレンジの各操作は、異物を挟んでいないか確認の上、無理に力をかけずに確実に行ってください。
  • ※このコンテンツは、2024年9月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。