下見の時点でちらりと見えていた流れの際にたどり着くと、目の前にはしっかり水量のある川が流れていた。期待を胸にさっそくザックに入れていたテンカラザオを延ばす。
テンカラは日本の各地で昔から受け継がれてきた和式毛バリ釣りで、近年はフライフィッシングの本場であるヨーロッパやアメリカでも「TENKARA」としてファンを増やしている。
服は速乾性のあるアンダータイツの上に同じく速乾性のある短パンを履き、足もとは靴下を履いてネオプレーン製のウエットゲーター(ウエーディングシューズを履くためのネオプレーンソックスと膝や脛を覆うゲーターが一体になったもの)。いわゆるウエットウエーディングスタイルで、夏場以降の渓流釣りに適した動きやすい格好だ。
この川の魚のアベレージサイズや居場所の傾向もまだわからないので、まずは1カ所ずつていねいに毛バリを流して釣っていく。
最初にイワナが釣れたあと、上流に進むとある地点からヒレがピンと張ってコンディションのよいアマゴが連続して釣れるようになった。
ちなみに大沢さんは、釣りの途中で毛バリを変更していた。最初は「逆さ毛バリ」でスタートしていたが、アマゴが多いとみると「花笠」に変更。さらにその蓑毛を指でむしって量を少なくするボリュームダウンも施していた。
気づけば手にしたアマゴは優に10尾を超え、すべて元気なうちにハリを外して流れに戻した。やがて3時間ほど川を釣り上がったところで、e-Bikeをデポしておいた退渓地点に近づく。期待どおりの釣りができたこともあって、予定どおり川から上がることにした。
最後の最後まで疲れ知らず。
そんな釣りあり?
林道が走っている側の岸に上がり、生い茂る草地の中を通り抜ける。するとほどなく、見覚えのあるデポ地点に到達した。ひと安心といったところだが、最後に楽しみが待っている。
通常であれば釣りを終えたあとに必要となる「クルマを停めた場所までの長い林道歩き」がこの日は不要。水を吸ったウエーディングシューズの重さを気にすることもなく、下流の駐車スペースまで一気に戻る。
控えめに言って、最高の渓流釣りスタイルではないだろうか。
さぁ、次はどこの川へ行こう?
「SmaChari(スマチャリ)」とは?
今回使用したe-Bikeは、Hondaが開発した「SmaChari(スマチャリ)」を搭載した「RAIL ACTIVE-e」というモデル。SmaChariは、自転車に取り付ける電動アシストユニットと、それに連動する専用のスマートフォンアプリにより、さまざまな自転車を電動アシスト化・コネクテッド化できるというサービスだ。