デイゲームを終えた二人は、松崎エリアにある地磯の1つに到着した。海に向かって突き出た岬の裏が大きなワンドになっている。
アオリイカは夜行性なので釣れる確率はナイトゲームのほうがやはり高い。警戒心の強い大型もエギを抱きやすくなる
夜釣りはやっぱり期待値が高まりますね。この時期の西伊豆だと、どれくらいのサイズまではチャンスがありますか?
2kg、3kgとなると正直難しいけれど、1kgオーバーなら充分ねらえますよ。今日は日没と満潮がほぼ同じ時刻でそこから潮が下げて行きます。おそらく下げ始めからの1~2時間が一番のチャンスタイムになるはずです。
芝さん、せっかくなので、時間を決めて1パイの重量勝負と行きませんか? いちおう、デジタル測りも持って来ているんですよ。
すごいヤル気だ(笑)! オーケーです、受けて立ちましょう(笑)。底潮も利き始めたようだし、きっと釣れると思います。あまり遅くなっても明日の釣りがあるから、日没から1時間くらいで勝負と行きましょうか?
開始からほどなく、1パイ目のアオリイカを手にしたのはなんと長島。ワンドの奥にあたる目の前のポイントですぐにヒットした
重さは280g。勝負といいつつ、今回はお楽しみ半分なので、計測はアオリイカが抱いているエギをデジタル測りでつまんで手早く簡易的に行った
うれしすぎます。やっぱり夜はイカの活性も高いですね。
ちょうど潮も流れ始めましたね。沖にキャストしたエギが、しっかり流れに乗る感触があるから、その潮から外れないように漂わせてシャクっていけばきっと釣れますよ……ほら来た!
宣言どおりのヒットで芝さんがすぐさま挽回。周囲は真っ暗な中、沖の潮の中でヒットさせた技ありの1パイだ
おお~さすがです! でも潮の中の釣りって、実際にどうやっているんですか?
ひとことでいうと流れている底潮からエギを外さないようにするんですが、あとはその時のフォール姿勢もしっかりイメージしています。具体的には、エギを潮に馴染ませるために、シャクったあとのリーリングを入れず、ラインスラックをあえて多めに出しています。
特に今日は底潮が利いているうえに風もあるので、ラインを張っているとエギが上下2方向から引っ張られる形になっちゃうんですよ。そうするとアオリイカが好む頭下がりの格好でエギがフォールして行きません。
あとは潮の中を釣るなら、エギも少し号数を大きくします。今は3.5号にしていますが、ちょっとやってみましょうか……。
デモンストレーションのように解説しながら2ハイ目を手にした芝さん。サイズは先ほどのほうが大きかったのだが、ねらいすました1パイに長島も脱帽だった
「潮のあるうちに長島さんもやってみて」と、途中からは芝さんのレクチャーが始まる。すると長島にも追加の1パイが来た!
いやー、すごいです。アドバイスいただいたとおり「左沖に向けてキャストして、着水したら35秒カウント、3回シャクったら7秒沈めて潮から外さないようにする」で釣ってみたら、最初に気配があったけれど乗らず、でも次のシャクリで“ドスン”とイカの重さが乗りました。こんなイメージどおりのナイトエギングは初めてです!
エギングの楽しさって、サイズだけではないんですよね。大型が釣れればもちろんうれしいけれど、それよりもイメージして釣れることが大切。まぁ、思ったよりも早く潮も緩んで来たようだし、今日はこれで上がりにしましょう。
そうですね。1kgサイズは出なかったけれど、期待どおりに釣れて何よりでした。重量勝負はもちろん、芝さんの勝利ということで!