天野 三三雄 氏
月刊『Basser』編集長
天野 三三雄 氏
大学在学中に季刊『Basser』の編集アルバイトとして参加。 その後、スポーツ紙釣り欄担当を経てつり人社入社。月刊『つり人』副編集長を経て、2009年より月刊『Basser』編集長を務める。『アオリイカ地獄』、『ロックフィッシュ地獄』、『シーバス地獄』などソルト系ムックの編集長も兼務。釣りはルアー全般のほかハゼ、カワハギ、カレイなど江戸前の釣りを好む。

水深100mという非日常で常識外れのサイズが!

沖縄のボートエギングがアツい! ここ数年、2kg、3kgクラスのアオリイカが次々にキャッチされており、5kgクラスのモンスターも報告されているのだ。ねらっている水深がまたスゴい。浅くて30m、深ければ120m。沖縄のエギングといえばクリアなリーフでのキャスティングゲームだが、それとは異なるディープインパクトな釣りなのである。
沖縄といえば透き通った海。港やビーチではサイトフィッシングが楽しめる。ボートのディープエギングとの2本立てもオススメだ
沖縄といえば透き通った海。港やビーチではサイトフィッシングが楽しめる。ボートのディープエギングとの2本立てもオススメだ
このディープエギングを楽しめる拠点はいくつかあるが、今回は沖縄本島北部に拠点を構え、伊江島周辺を得意にしている「善海丸」での釣りを紹介したい。
「シーズンは12~6月。とくに大型が期待できるのは3月以降です。今年は3月上旬の時点で出船すれば船中10~15ハイ。サイズは3.5kgまで出ています。4kgの声も聞こえてきたので、これから4月にかけて右肩上がりになるはずです」と仲村船長。
沖縄本島沖の水深30~120mがこの釣りの舞台。ティップランスタイルで探っていくのが主流だ
沖縄本島沖の水深30~120mがこの釣りの舞台。ティップランスタイルで探っていくのが主流だ
写真は1kg弱のナイスサイズ。この3倍、いや5倍の重さのアオリイカが沖縄のディープウォーターに潜んでいる
写真は1kg弱のナイスサイズ。この3倍、いや5倍の重さのアオリイカが沖縄のディープウォーターに潜んでいる

基本はティップランスタイル

使用するタックルは通常のティップランエギングのものと同様。7ft前後で繊細なティップをもつスピニングロッドに♯2500~3000のスピニングリールを組み合わせ、メインラインは0.6号前後のPEリーダーは2~3号のフロロカーボンを用いるアングラーが多い。異なるのは餌木だ。水深30m超のスーパーディープをねらうため、通常の餌木に10~40号のナス型オモリなどをセット(スナップを使用してラインアイに付けることが多い)して用いる。
繊細なアタリに対して引きは超強烈! 極細PEがアオリイカの生命感を手もとまで伝えてくれる
繊細なアタリに対して引きは超強烈! 極細PEがアオリイカの生命感を手もとまで伝えてくれる
3.5~5寸の餌木に10~40号のオモリを後付けするスタイルが主流。オモリの号数は水深や風の強さに合わせる
3.5~5寸の餌木に10~40号のオモリを後付けするスタイルが主流。オモリの号数は水深や風の強さに合わせる
釣り方はティップラン。ポイントに着き船長の合図があれば餌木を投入。潮の流れの強弱によって船の真下に餌木を入れることもあれば、若干のキャスティングが必要な場面もある。キャスト後は餌木をフリーフォールで海底まで届け、そこから数回シャクリを入れる。そのあとはラインを軽く張った状態をキープしてアタリを待つ。しばらくしたらまたフリーフォール→シャクリという繰り返し。

アタリはシャクリ後のステイ時に出ることがほとんど。ティップを軽く曲げた状態で待っていると、ティップがさらに入ったり、逆に戻ったりする。それがアタリの合図だ。ちなみに、曲がったティップが戻るようすを「ラン」と表現したことが「ティップラン」というネーミングの由来になっている。 ディープのイカは群れていることがほとんどで、一度アタリが出れば連発することが多い。2kgクラスが連発! という沖縄でしか味わえない衝撃が待っているかも……。 南国沖縄の非日常的なスーパーディープで、常識外れのモンスターがねらえる釣り。今春トライしてはいかがだろうか。

ちなみに善海丸の出船場所はジンベエザメで有名な沖縄美ら海水族館のすぐ近く。景観のよさで知られる瀬底島にはカフェもある。釣り仲間と本気のエギングに挑むのもいいが、家族旅行の1日を釣りにあてるスタイルもオススメである。
イカが抱いてくるのはシャクリ後のステイ時(ラインを軽く張った状態をキープして待つ)が多い。軽く曲がった状態のティップがさらに入ったり、逆に戻ったりするとそれがアタリだ
イカが抱いてくるのはシャクリ後のステイ時(ラインを軽く張った状態をキープして待つ)が多い。軽く曲がった状態のティップがさらに入ったり、逆に戻ったりするとそれがアタリだ
ディープのイカは群れていることが多いため、船中ダブルヒット、トリプルヒットも珍しくない。写真は2ハイのアオリイカを同時にネットインの図
ディープのイカは群れていることが多いため、船中ダブルヒット、トリプルヒットも珍しくない。写真は2ハイのアオリイカを同時にネットインの図
今回ご紹介したエリア
沖縄県/伊江島近海のアオリイカMAP
アクセス

GTやアオリイカ、タチウオをメインターゲットにしたボートフィッシングを楽しめる(チャーターもしくは乗り合い)。レンタルタックルも用意されているので手ぶらでもOKだ。出船場所は沖縄本島北部の国頭郡本部町、瀬底大橋手前の浜崎漁港。沖縄道・許田ICからR58を北上してR449へ入り海沿いを走れば到着。港への入り方はウェブサイトもしくは電話で確認しよう。
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※このコンテンツは2014年3月の情報をもとに作成しております。