Honda家庭用小型コージェネレーションユニット - 2002.07

cogene FACT BOOK
家庭用小型コージェネレーション 2002.7.18


現在、家庭で使用される機器は、トップランナー方式(省エネルギー性能が最も優れている製品に
基準の目標値を定める)の導入により、エネルギー効率が大幅に向上しています。
しかし、ライフスタイルの変化や家電製品のパーソナル化など、
より快適な生活への要求とともに家庭全体の「熱」と「電力」の消費量は増加しています。
また一方では、環境問題への関心も高まり、より経済的で無駄のない生活を望む声が増えています。
こうしたことから、さらに高効率なエネルギー機器が求められるなか、Hondaが着目したのが、
新しいエネルギー供給システムとして注目されているコージェネレーションシステムの一般住宅への適応でした。
このシステムを小型ユニット化して戸建住宅への設置を可能にすることで、
一次エネルギーを「熱」や「電力」に有効利用できるエネルギー供給システムを目指しました。


ひとつのエネルギーから熱や電気など複数のエネルギーを取り出し、有効に利用するコージェネレーションシステム。
これまで工場やホテル、店鋪など、大規模な施設において採用されてきました。
エンジンなどの動力によって自家発電することで、商用電力の使用量の増減幅を減らし安定化させる一方、
排気熱を利用した給湯や暖房機能を組み合わせることで、省エネルギーと光熱費低減を可能にします。
Hondaはこのシステムを一般の戸建住宅に適応させるために、稼動・停止が容易で季節や使用時間など利用需要に対応しやすい「エンジン」が動力に適していると考え、クリーンエネルギーとして注目されている天然ガス、しかも家庭に普及している都市ガスを利用。
家庭用のコージェネレーションシステムの核となるユニットを開発しました。

●一次エネルギーを無駄なく利用し、さらに利用効率を徹底的に追求。
電力会社から供給される一般的な電力は発電所と需要地(住宅)が離れているため、発電時に発生する熱エネルギーを利用することができないのに対し、天然ガスは各家庭までロスなく供給され、しかも家庭内で発電するため、発電時の排気熱を給湯や暖房に有効利用することができます。Hondaはこの利用効率を独自の小型エンジン技術や小型インバーター発電機技術によって徹底的に高め、エネルギー利用効率85%という極めて高効率なエネルギー供給システムを実現しています。

●環境保全に大きく寄与する天然ガスを使用。
天然ガスは、産地において冷却され液化天然ガスになる過程で硫黄分などの不純物が排除されるため、石油や石炭よりも燃焼時のCO2排出量が少なく、NOxの排出量も大幅に低減。しかも、埋蔵量が豊富で将来的にも安定した供給が可能なため、化石燃料の資源保護にも寄与するなど、環境保全に大きく貢献しています。



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