動力の伝達(3)


■モーター斜板の動きと変速比

 オイルモーターの役割のひとつは、斜板の角度を変えることにより、モーターの必要とする作動油の量を変化させて変速比を変えることです。オイルモーター側で決められた作動油の量が、ポンプ斜板とシリンダーとの回転差を生み出し、最も回転差が大きい時がLowレシオ、回転差がない場合がTopレシオとなります。


■Lowレシオ

 モーター斜板が大きく傾いているとき、モーターピストンの大きなストロークに見合うだけの作動油が必要になります。そのため、ポンプピストンを速く動かすように、ポンプ斜板とシリンダー(出力軸)との回転差が大きくなります。つまり、最もモーター斜板が傾いているときがLowレシオになります。



■Middleレシオ

 モーター斜板の傾きを徐々に小さくすると、必要な作動油量が少なくなり、出力軸の回転が上がってポンプ斜板との回転差が徐々に少なくなります。これは無段階で変速していることになります。



■Topレシオ

 モーター斜板の傾きがない場合は、モーターピストンのストロークがなくなり、ポンプから吐出される作動油も必要なくなります。これにより、ポンプ斜板とシリンダー(出力軸)は同じ回転となり、Topレシオ(変速比1.0)になります。





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