Dio M.A.-C.ABS・ST1100 Pan-European CBS-ABS - 1995.12

Technology
Dio M.A.-C.ABS・ST1100 Pan-European CBS-ABS
 
ST1100 Pan-European CBS-ABS(T.R.-C.ABS)with TCSの開発にあたって

「ST1100 Pan-European CBS-ABS with TCS」の主な装備

カラーリング
カラーリングは、ミュート・メタリック・ブラックとキャンディー・ワインベリー・レッドの2種類を設定。シルバーのストライプおよび、ニューデザインのクロームメッキのエンブレムとのコンビネーションによって、プレステージを強調する視覚的な質感と、静寂の中にたたずむ洗練美を表現するものとしています。

パワーユニット
パワーユニットには、パワフルで信頼性に優れる水冷・4サイクル・16バルブ・90度V型4気筒・DOHC・1,084cm3を採用。低回転域から力強いトルクを発揮させながら、高回転域でもスムーズなクルージングを可能としています。

新開発、高出力タイプACジェネレータ
新開発の40A高出力タイプのACジェネレータの採用によって、新設計のABSシステムに電気系統の過負荷をかけることなく電力供給を行えるものとしています。また、オイルクーラー方式に代わる潤滑系の空冷方式の採用によって、新型ユニットは低回転時にも余裕の電力供給を可能としています。

足廻り
フロントフォークには、トルク対応型アンチダイブ・コントロールシステム(TRAC)を採用した、φ43mm径カートリッジタイプを採用。150mmのアクスルストロークを確保し、高速クルージングに対応する高剛性な足廻りとしています。
リアサスペンションは、120mmのアクスルストロークを持つプリロード調節機構付ダンパーを採用しています。

新型ラジアルタイヤ
タイヤは、従来モデルのVレートバイアスタイヤから、新たにフロント:120/70ZR18 リア:160/70ZR17のラジアルタイヤを採用。さらに向上させたブレーキ性能にマッチし、スポーツ・ツーリングモデルならではの走りを可能とする足廻りとしています。

空力特性の向上
車体デザインにあたっては、コンピュータ解析により空力特性を徹底して追求。特に新設計のフロントフェンダーのデザインは高速走行時の空力特性を向上させるとともに、ハンドリングの向上や高速走行時の疲労軽減に寄与しています。
このフロントフェンダーは、フロントフォーク用ピッチングガードと一体設計とし、従来モデルのフロントフォーク・スライダーの上部にある樹脂部品を廃止するなど、軽量化にも寄与しています。

新型小径ブレーキローター
ブレーキユニットは、「T.R.-C.ABS」の採用にあわせて、構成部品を一新しました。前・後に新設計のφ296mm径(従来モデルφ316mm径)のディスクプレートを採用するとともに、新設計の小型・軽量3ポットキャリパーを組み合わせて搭載することで、「T.R.-C.ABS」を搭載しながらも、バネ下重量を限界まで低減しています。

トラクションコントロール・システム(TCS)
「T.R.-C.ABS」の採用とともに、定評の2輪車用トラクションコントロール・システム(TCS)を従来モデルから継承して採用。「T.R.-C.ABS」の車速センサーからの信号によって前・後輪のスピードを検知しエンジンの点火タイミングをコントロールすることで、レスポンス性に優れた高精度のトルク出力制御を可能とし、滑りやすく頻繁に変化する路面状況に対応して、速度感の喪失を最小限に抑えつつ、リアタイヤのスリップをコントロール可能な範囲に制御します。




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