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T.R.-C.ABS・M.A.-C.ABS
 
はじめに

 近年、二輪車をとりまく社会環境は、環境問題、安全問題、経済性等、多方面からその対応が求められています。ホンダは“安全な二輪車づくり”という最も大切な課題に対し、アクティブセーフティの考えのもと、利便性が高く、扱い易い二輪車の開発を目指してまいりました。
 また、ソフト面でも他社にさきがけて、'70年10月に「ホンダ安全運転普及本部」を設立し、お客様が安全かつ快適にお乗りいただくための活動など、ハード/ソフト両面での取り組みを行ってまいりました。
 そして、アクティブセーフティの中でも大切な要素のひとつである“ブレーキシステムの進化”についても研究開発を重ね、'69年には二輪車の量産市販車として世界で初めてディスクブレーキを装着したCB750FOURを発表。以降、よりコントロール性に優れたブレーキシステムの実現を目指し、ブレーキ操作時の車体姿勢の安定性向上のためのアンチダイブジオメトリーの追求や、焼結パッドの採用等の摩擦材の性能向上、デュアルピストンキャリパーの採用など、基本的技術の改良を進めてまいりました。

 これらの基本技術を進化させる一方で、二輪車独特の前・後輪ブレーキを異なる操作系で別々に操作することを比較的経験の浅いライダーでも容易に行えるように、ライダーのブレーキ操作を簡便化し、ライディングに集中できるようにすることが、ブレーキに求める積極安全であると考え、この思想のもとホンダは、独自のテクノロジーで最新のブレーキ技術を開発してまいりました。

 その具体的な技術のひとつである、直進時におけるブレーキのかけすぎによる車輪ロックを自動制御する、アンチ・ロック・ブレーキ・システム(以下ABS)の開発にあたっては、'70年代初頭より純メカニカルタイプのABSの開発をいち早くスタートし、'87年には電子制御を使用しない機械式液圧制御方式を採用したABSを完成。さらに'92年には、さらに進化した電子制御式ABSをST1100に搭載しました。
 また、前・後輪の制動力を理想的に配分し、効果的なブレーキ操作を可能とする連動ブレーキ技術についても早くから研究を重ね、'83年には、フットペダル操作によって前・後輪のブレーキを連動する「Combined Brake System」をGL1100に搭載。さらに'93年には、これをさらに進化させ、ハンドレバー/フットペダルのいずれの操作でも前・後輪の連動を可能とする「Dual Combined Brake System(前・後輪連動ブレーキシステム)」をCBR1000Fに搭載してきました。

 その後もホンダは、前・後輪連動ブレーキシステムやABSの研究を進め、大型二輪車だけでなく、スクーターをはじめとする小型二輪車に対してもブレーキ操作を補うことによって、扱い易さをさらに向上させるシステムの方向性を模索してきました。
 そして今回、適切な前・後輪ブレーキの制動力をより簡便な操作で実現する前・後輪連動ブレーキシステムと同時に、直進制動時のブレーキのかけすぎによる車輪のロックの自動制御(ABS)という、異なるブレーキ技術を融合させた、「前・後輪連動ブレーキ+ABS」という技術を完成し、走行速度域やブレーキ形式に対応する機能・性能を実現した、大型二輪車用「T.R.-C.(Torque Reaction Combined)ABS」ならびに、小型二輪車用「M.A.-C.(Motor Actuated Combined)ABS」を開発いたしました。




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