パワーユニット(7)


■ノッキングセンサー
 シリンダー内の燃焼状態を検知し、すべての回転域において最適な点火タイミングを維持する、ノッキングセンサーを新たに採用しています。ノッキング(ガソリンエンジンで、点火プラグから火炎が伝播する以前に、未燃焼部分の混合気が自着火する現象)の可能性が検知されると、センサーが作動して点火タイミングを遅らせることでノッキングの発生を未然に防ぎます。
 New CBR600RRのエンジンは、Hondaの国内認定取得モデルで初めての(競技専用車両を除く)無鉛ハイオクガソリン仕様としています。今回採用したノッキングセンサーは、燃焼状態の検知に必要なエンジン燃焼圧波形と他のエンジンノイズを識別し、無鉛レギュラーガソリンを使用した場合でも、点火タイミングを遅らせることでノッキングなどの発生を防ぎます。そして、徐々に点火タイミングを早め、理想的な燃焼となるよう制御します。

ノッキングセンサー
■トランスミッション
 New CBR600RRのトランスミッションは、新たなエンジン特性に最適な、とりわけ加速時にエンジンパフォーマンスを十分に活かせる設計としています。よりスムーズなシフトチェンジを可能とする逆テーパー型のシフトドッグを採用したトランスミッションは、2、3速ギアには、熱処理後に切削精度に優れた超硬ホブカッターで仕上げを施し、歯形精度に及ぼす熱処理歪の影響を排除することでギアの精度を向上させ、静粛性を高めています。
 また、シフトドッグのクリアランス設定やダンパー特性の最適化により、加減速時におけるギアラッシュの発生を抑えることで、エンジンのパワーロスを低減させています。



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