はじめに


 欧州と北米で1987年にデビューしたCBR600Fは、市街地からサーキットにいたるまでオールラウンドな使用に耐えうる性能を誇り、絶大な人気を博しました。日本では、国内での走行環境や法規に適合させた国内専用モデルとして、1992年6月に発売。以降、モデルチェンジ毎に使用環境を考慮するなど熟成を重ね、2001年3月にはPGM-FI(電子制御燃料噴射装置)を採用したCBR600F4iへとモデルチェンジしました。
 そして2003年7月には、ユニットプロリンクサスペンションを採用するなど、MotoGP(ロードレース世界選手権)最高峰クラスのレース専用マシンである、RC211Vのレーシングテクノロジーを随所にフィードバックしたCBR600RRを発売。高いポテンシャルを備えた600ccスーパースポーツモデルの新しいステージを築いてきました。レースシーンにおいてもCBR600RRの性能は如何なく発揮され、FIMワールドスーパースポーツ選手権、そしてMFJ全日本ロードレース選手権ST600クラスではデビューイヤーの2003年から4年連続チャンピオンを獲得するなど、ポテンシャルの高さを証明してきました。
 New CBR600RRは、従来モデルのパフォーマンスに磨きをかけ、サーキットでも圧倒的な性能を維持しながら、市街地での更なる乗りやすさを追求するとともに、小型二輪車に2007年10月1日より施行される新たな国内排出ガス規制値(平成19年規制)をクリアするなど、走行性能と環境性能を高次元で両立し、大幅に魅力を向上させたモデルとして登場いたします。
 開発にあたっては、特に軽量・コンパクト化を重視しました。新設計のエンジンやフレームをはじめ、細部にいたるまでグラム単位で重量を削ぎ落とすことで、乾燥重量は従来モデルに比べてトータルで約8kgもの軽量化を達成しています。マシンサイズもよりコンパクトとなり、さらなるマスの集中化とパワーウエイトレシオの向上を実現しました。また、中回転域でより扱いやすい出力特性としたパワーユニット、最適化を図ったディメンション、そして二輪車用電子制御式ステアリングダンパー、HESD(ホンダ エレクトロニック ステアリング ダンパー)の新採用などとあいまって、新次元のスーパースポーツモデルにふさわしい洗練されたパフォーマンスを発揮します。
 エキスパートライダーが存分に楽しめる高性能はもちろんのこと、ビギナーライダーでも走りを楽しむことのできる扱いやすさを兼ね備えたマシンとしています。
*小型二輪自動車の新型車は2007年10月1日、継続生産車は2008年9月1日より施行。



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