CBR1000RR - 2006.02

 

パワーユニット(1)


【エンジン】
 CBR1000RRのエンジンは、軽量・コンパクトながら、全域において優れたパワー特性とコントロール特性を両立させた、水冷4ストロークDOHC直列4気筒・998cm3を搭載。
 New CBR1000RRのエンジンは、基本スペックを従来通りとしながらも、“動力性能の向上”と“軽量化”を主なテーマとして開発を推進しました。
 具体的には、シリンダーヘッドのインテークポート形状をストレートに変更し、エキゾーストポートのサイズ拡大やバルブ形状の変更、バルブタイミング等々の見直しを実施。またインテークポートの中子の成型において使用する砂の粒を従来よりも細かい材質を使用することで、面粗度の向上を図りました。これらの変更にともない、バルブ関係は、ほぼ全面改良となりました。この結果、出力特性の変更ができました。特に国内モデルでは、使用頻度の高い“街乗り”に効果的な低・中速域のトルクが向上し、どの回転域からもパワーが供給される滑らかさが格段に向上しています。
 また、燃焼室容積を約2.7%縮小化し、圧縮比を11.9:1から12.2:1へとアップさせることで燃焼効率を向上。これにともない、シリンダーブロックのブリージング穴径を30mmから32mmへと拡大しフリクションロスを低減しています。
 さらにカムシャフトの材質を変更し、シャフトウォールを薄肉化することで450gの軽量化を実現。同時にインテーク側のカムリフト量を8.9mmから9.1mmへと増加させ、バルブステムの傘形状の最適化を図ることで、低・中速域でのトルクアップと、スロットルリニアリティーの向上を実現しています。

 New CBR1000RRでは、レースシーンにおける信頼性の向上も図っています。
 具体的には、インテークバルブにデュアルバルブスプリングを採用することで高回転域での正確なバルブ作動と耐久性を確保。また、クランクシャフトに高強度材を採用することで、レースレベルでの耐久性の向上及び、クラッチアウターの仕様変更により高回転域でのスムーズな操作性を実現しています。

 New CBR1000RRでは、乗り味のセッティングにも変更を加えています。今回は、一般道やスポーツライディングに加え、サーキットユースまで考慮したトルクのボリュームゾーンを従来より若干下に設定しています。具体的には5,000回転から6,000回転の実用的なバンドで力強さを感じてもらえるようにPGM‐DSFIの設定を変更。従来のスムーズな加速感を生かしつつ、低・中速回転域でのレスポンスがシャープで、全開に至るまでの過程や、加・減速を楽しむことのできる設定としています。






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