かねてよりホンダは、マルチシリンダーエンジンを搭載したニューコンセプトのカスタムモデルを意欲的に市場に投入してきました。直列4気筒エンジンを搭載した国内の本格的なカスタムモデルとして、古くは'80年CB650カスタムやCB750カスタムエクスクルーシブ、近年では'91年のナイトホークシリーズなどがあり、スタイリングの観点からも、それらのモデルは既成の枠にとらわれることのないオリジナリティ溢れるデザインを追求してきました。
同様にX4のスタイリングは、数あるカテゴリーの中で特にカスタムモデルとネイキッドモデルの2つのカテゴリーに同時に新風を吹き込むことを目標としました。
スタイリングの策定にあたっては、カスタムモデル特有の男性的で伸びやかなプロポーションをベースに、その心臓にビッグインライン4を搭載することによって、ネイキッドモデルが持つスポーティでハイパフォーマンスなイメージを、随所にモチーフとして取り入れるという新しいチャレンジを試みました。
スタイリングのイメージは、「まさに獲物に襲いかからんとする野獣をイメージ」させるもので、力をフルに溜め込んだ筋肉のかたまりが、低く構えた時の張りつめた緊張感や息を飲む迫力を表現しました。
具体的な手法としては、カスタムモデルの基本であるロング&ローの骨格に、小ぶりで力強い外観パーツを採用するとともに、黒で引き締められたビッグエンジンを中心に、タイトに引き寄せた大容量のメガホンマフラー等、視覚的に重心を車体センターに集中させることで、伸びやかなプロポーションながらも凝縮した力強さを表現することを可能としました。
また、最近のスーパースポーツモデルを彷彿させるハイパフォーマンスな走りに対応する足廻り装備や、クオリティ感を追求したアルミパーツ部も、このX4のコンセプトを強くアピールしています。
(*「X4」=Xがニュージェネレーション・未知なるもの、4は直列4気筒エンジンを意味する。)
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