塑性域角度法締め付け浸炭ナットレスコンロッド |
シリンダー内部のピストン往復慣性マスを最小限に抑えるため、新設計の軽量スカートレスピストンを採用するとともに、塑性域角度法締め付け浸炭ナットレスコンロッド採用しています。通常のコンロッドは、ボルトとナットで固定されているのに対し、VTR1000Fのコンロッドは、表面層に浸炭加工を施したロッドボディに直接ネジを切り、さらに高強度ボルトでエンドキャップを塑性域角度法で締め付けています。
これらによって、高回転に耐えうる高強度・高剛性のコンロッド廻りが実現し、さらに、コンロッド単体で約40g、エンジン全体では約750gもの軽量化に寄与しています。 |
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コネクティングロッド比較
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圧入式トルクリミッター付きスターター機構 |
従来の大排気量Vツインエンジンは、始動時にスターター系に強大な力がかかるため、充分な強度を持たせた設計となっており、これが重量アップの原因のひとつとなっていました。
VTR1000Fは、通常は一体式であるリダクションギアを分割圧入式に変更し、圧入面には作動の安定化のため低温浸硫処理を施し、この部分にトルクリミッターの機能を持たせ、スプリングダンパー内蔵のスタータードリブンギアと組み合わせて、ケッチン発生時に圧入部がスリップしてスターター系が破損するのを防止する構造としています。 |
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スタータートルクリミッター
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