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VTR1000Fのボディーワークは、高性能ロードスポーツとしてのキャラクターを強調しながらも、高レベルのウィンドプロテクション効果を確保しながら、エンジン冷却のためのエアーフローをもスムーズ化するという、相反する要件を両立させた先進のエアロダイナミックフォルムを採用しています。
一般的に、従来の大型スーパースポーツマシンでは、フルカウリング装着が定番であったのに対し、VTR1000Fのデザイン手法では、あえてフレームやエンジン下部を露出させ、力強さを強調するハーフカウリングを採用しています。
フロントカウリングのエアインテークから導入されたフレッシュエアは、エンジン側面を通過しながら効果的にエンジンを冷却します。一方、サイドカウルのエアアウトレットは、側面にマウントされた2個のラジエターから発生する熱を効果的に排出し、ライダーを熱から保護します。
さらに、高速走行時、カウル下端の小さなフィンの効果で発生するダウンフォースの働きによって高速安定性を向上させています。
大型フューエルタンクは曲面で構成され、最大にハンドルを切った状態でも手に当たらず、さらにニーグリップ時の膝の窪みを付けるなど、あらゆるライディングコンディション下でも快適なポジションを実現しています。
ワンピース構造のシートカウルは、別体式のリアシートカウルを装着することによって、シングルシート仕様に変更可能としています。さらに、ダンデムシートの下部に2L容量の小物入れを設定し、Uロック専用スペースと固定用のゴムバンドを装備しています。
エンジンの外観形状にもデザインテーマを強く反映すべく、設計者とデザイナーとの間で度重なるディスカッションを行った結果、力強く機能的で、かつ、生命観溢れるパワーユニットのデザインとしました。
フレームボディのデザインは、アルミフレームにありがちな機械的で冷たい表情ではなく、しなやかな動物の骨格をイメージしたオーバルセクション(日の字断面のD字型曲面材)としています。クラフトマンシップを感じさせるトラス構造のダイヤモンドフレームは、美しくバフ掛けされたパイプワークと、表面にアルマイト処理を施したショット仕上げの鋳造パーツで構成し、エンジンをフレーム内に可能な限りコンパクトに収納ながらもVツインのエンジンのスリムさを強調する形状としています。
オールステンレス製の排気系には高品位なバフ仕上げを施すとともに、後端を高く跳ね上げた形状のマフラーには入念な鏡面仕上げを施しました。
さらに、ミラー形状の決定にあたっても空力性能を徹底的に追求しながら、VTR1000Fのオーガニックな外観にマッチする、スマートなものとしています。
メーターパネルの外観は、精密な時計をイメージし、メーター針も細く尖ったニューデザインとしています。
スウィングアームピボットに締め付けられたステップホルダーは、無機質イメージを廃し、オーガニックな機能美を表現しています。 |
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