VTR - 1997.11

VTR
VTR
 
パワーユニット

排気系
 排気系は、車両重量の低減と原音フィーリングを活かした排気サウンドを得るために、チャンバーレス構造を採用したシンプルなパイプレイアウトの2 into 1 マフラーを採用しています。
 排気系のセッティングにあたっては、Vツインエンジン特有の低・中回転域でのトルク感や高回転域での吹け上がり感を損なわずに、よりVツインエンジンならではの原音に忠実なサウンドと小気味良い鼓動感を得ることを目標といたしました。
 具体的には、エキゾーストパイプの集合部のパイプ端末部に絞りを追加し、マフラー部は、グラスウール、インナーパイプの長さ、サイズ、セパレーターの配置を最適化し、内部構造を可能なかぎりシンプルかつ最適な構造とした3.9Lの大容量3室膨張タイプを採用。従来モデルと比較して容量および外径をアップし、膨張比を大幅に向上させることで、狙いとした出力特性を発揮しながらも、高周波の不快な割れ感を抑え低周波音を強調した排気サウンドを実現しています。


エキゾートパイプ断面図
エキゾーストパイプ断面図


排気容量比較
排気容量比較

エキゾーストパイプ


 さらに、排気音圧は厳しい国内騒音第3段階規制をクリアした上で、低速から高速まで、あらゆる速度域でも楽しめる音作りを施しています。
 具体的には、車両全体から発生する様々な音の中で、エンジン部のメカニカルノイズを最小限に抑えることによって、ライダーにとって心地良い常用速度域での音圧レベルを高め、乗車時にライダーが聞く排気音を力強いものとしています。
これらの設計に関しては、計器計測によるテストデータのみに頼らず、実際に走行中のライダーの聴覚を基にするなど、人間の感覚による判断に基づいて細部の設計を行いました。

排気音周波数特性比較
排気音周波数特性比較


軽二輪車騒音レベル低減の推移
軽二輪車騒音レベル低減の推移(加速走行騒音)



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