VALKYRIE - 1996.07

VALKYRIE
VALKYRIE
 
パワーユニット

 パワーユニットは、ゴールドウイング(SE)に搭載され、高い信頼性を誇る水冷・4サイクル・OHC・水平対向6気筒1,520cm3をベースにホットロッドカスタムとしての走り味を演出するため、数多くの部分に設計変更を施しました。

パワーユニット

キャブレター
 吸気系は、吸気デバイスを使用しないシンプルなキャブレターシステムとし、ゴールドウイング(SE)の2連キャブレターに対し、新開発のφ28mm6連キャブレターを採用しています。加えて、大容量エアークリーナーを搭載し吸気系を一新したほか、点火時期特性やギアレシオに変更を施すことによって、鋭いスロットルレスポンスと、二次曲線的に吹けあがる、豊かでフラットなトルクを発揮する出力特性を実現しています。 キャブレター

6 into 6 エキゾーストシステム
 排気系は、それぞれの排気管が連結することなく独立したまま後端まで伸びる6 into 6を採用し、排気音はライダーの心を揺るがす低音の響きと、1気筒毎の鼓動が感じられる独特のクリアな水平対向6気筒サウンドを奏でるものとしています。

6 into 6 エキゾーストシステム
6 into 6 エキゾーストシステム

バルブタイミング
 バルブタイミングは、ゴールドウイング(SE)がオーバーラップがほとんどない設定としているのに対し、ワルキューレでは、ある程度の中速トルクを残しながらも二次曲線的な加速を達成するため、オーバーラップのある高速バルブタイミングを採用。さらに最高出力をゴールドウイング(SE)の97ps/5,000rpmから100ps/6,000rpmに向上させています。
 さらに、エンジンの高回転化に伴い、動作部の強度や剛性の最適化を図るため、バルブスプリングおよびロッカーアームを新設計したほか、新設計軽量ピストンの採用や、ACジェネレータ・ギアレシオの変更、スロットルレスポンスの向上を図ってフライホイールマスの縮小化、さらに、タペット調整にシンプルなマニュアル調整機構を採用し、軽量化とパワーのダイレクト感を図りました。

ドライブ系
 ドライブ系は、全く新しいパワーユニットに合わせギアレシオを一新し、二次曲線的な加速にマッチするレシオ設定としています。
 また、ドライブ系は静粛性に優れ、メンテナンスフリーを実現するエンクローズドシャフトドライブによってエンジンの強大なパワーをリアタイヤに伝達します。
 特に、極太リアタイヤを装着するため、ドライブシャフトは外側3°の傾きを設けています。

 エンジン外観は、その美しさを際立たせるため、シリンダーヘッドカバー、インテークマニホールド、タイミングベルトカバーを新設計し、クロームメッキを施すことで精悍さをも表現するとともに、シリンダーヘッドの上に位置するクロームメッキ処理を施した6連キャブレターが水平対向6気筒エンジンの迫力をさらに際立たせています。
 また、転倒時のダメージを最小限に抑えるため、大型エンジンガードを左右に装備しています。




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