TACT - 1980.09

TACT
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開発のねらい

 ホンダがロードパルを発売した昭和51年以降、二輪車市場は大きく広がり、いまや国内販売台数は年間約200万台にもなってきております。
 それは、ロードパルがつくったファミリーバイクブームをきっかけとして、スポーツバイクも含めた二輪車愛好者の層が広がったことによるものです。
 いま、二輪車は若者だけでなく、より幅広い年令の人達や女性にも親しまれる時代となっております。
 その中で、ファミリーバイクは実用的・機能的な面から、生活の足として“より手軽で便利なもの”“シンプルなもの”が追い求められてきました。
 しかし、最近では“よりファッション性にすぐれたもの”“個性的なもの”へと多様化が進み、さらに“いろどり”を備えた乗りものとしてのニーズが高まっております。

 このような傾向の中で、これまでの二輪車にあまり関心のなかった人たちも含め、ハイグレードで幅広いファッション感覚をもち、持つことの喜びを満たしてくれ、しかも省エネルギーに適した“乗りもの”を期待する人たちの広がりが予測されます。
 ホンダは、これらの時代背景から《乗用車感覚の二輪車》をめざした新しい二輪車の開発をすすめてきました。
 そしてここに誕生したのが「タクト」です。

タクトは、最新の技術をとり入れ———
  ゆとりあるフロントスペース
快適な乗り心地
強制空冷の新設計エンジン
セルスターターに代表される手軽で扱いやすい機構
乗用車ムードの計器盤
幅広いファッションにマッチするスタイル
などを備えた新感覚の“スクーター”です。




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