SCOOTER - 1981.07

SCOOTER
SCOOTER
 
ホンダのスクーター

ホンダのスクーターの歴史は、ジュノオK型、ジュノオM型、タクトと、三代にわたっている。そのどれもがそれぞれの時代に、スクーターのあるべき姿を求めて、その時代の最先端の技術を盛りこんで造り上げられたものである。

●ホンダジュノオK型(K型、KA型、KB型)
 ホンダジュノオK型は、昭和29年1月に発売されたホンダの第一号スクーターで、ホンダ独自のOHV方式の強制空冷4サイクルエンジン(189cc)を搭載、ボディには強化プラスチック(FRP)を採用、セルフスターターを装備するほか、全天候への試みとして、当時どのメーカーも試みてなかったアクリル樹脂製の大型ウィンドシールド前方に雨よけ用ルーフを収納するなど、数々の斬新な新機構を盛りこみ、当時としてはスーパーカーなみの注目を集めた。
 ホンダジュノオKA型、KB型は(S.30)K型のエンジンをパワーアップした強制空冷4サイクルエンジン(220cc)を搭載するなどの改良を加えて発売されたものである。

ジュノオKA型
1954年1月発売 ジュノオKA型
ジュノオK型、KA型、KB型主要諸元
エンジン :強制空冷4サイクルOHV単気筒K型189cc、KA型・KB型220c.c.
最高出力 :K型7.5HP/4,800rpm、KA型・KB型9.0HP/5,500rpm
全長×全幅×全高 : K型2.070×0.800×1.025
(単位m)   KA型2.070×0.800×1.025
  KB型2.070×0.800×1.000
重量 :K型170kg KA型195kg KB型160kg
発売 :昭和29年1月(昭和30年生産中止)
販売台数 :5,856台

●ホンダジュノオM型(M80、M85)
 ホンダジュノオM型は、昭和36年11月に発売された二代目のジュノオである。ジュノオK型が斬新な機能で注目を集めたのに対し、M型は静粛性と動力性を兼ね備えたホンダ独自のフラットツイン強制空冷4サイクルエンジン(124cc)を搭載、変速機にバダリーニ式の油圧式無段変速機を採用するなど、先進の技術による高精度のスクーターとして開発されたものであった。
 ホンダジュノオM85は、これらの機構をさらに改良し、170ccエンジンを搭載、バダリーニ式と手動変速を併用するなど、より完成されたスクーターとなった。

ホンダジュノオM型(M80、M85)主要諸元
エンジン : 強制空冷4サイクルOHV水平対向2気筒
M80 124c.c.、M85 169c.c.
最高出力 : M80 11PS/9,000rpm
M85 12PS/7,600rpm
全長×全幅×全高 : M80 1.810×0.665×1.030
(単位m)   M85 1.820×0.675×1.030
重量 : M80 146kg、M85 157kg
発売 : 昭和36年11月(昭和38年生産中止)
販売台数 : 5,880台
価格 : M80 159,000円、M85 169,000円
ホンダジュノオM型(M80、M85)
1961年11月発売 ジュノオM85

●ホンダタクト(タクトDX、タクトDXセル付、タクトフルマーク)
 ホンダタクトは、昭和55年9月より発売、国産スクーター復活第一号として注目を集め、またたくまにスクーターのマーケットを復活させ第二期スクーター黄金時代の魁として好評を得ている。エンジンは、動力性と経済性を兼ね備えた強制空冷2サイクルエンジン(49cc)を搭載し、3.2馬力、燃費76km/L(30km/h定地走行テスト値)をマーク。さらに、ホンダ独自のオートマチック機構(Vマチック)とセルフスターターを装備した、ソフトで乗用車感覚の乗り心地をもったスクーターである。
 タクトフルマークは、タクトにトランクルームを設けユーティリティをひろげ、パワーも3.6馬力と向上させ昭和56年7月より新発売。
タクトDXセル付
1980年9月発売 タクトDXセル付
タクトフルマーク
1981年7月発売 タクトフルマーク
ホンダタクト
(タクトDX タクトDXセル付
タクトフルマーク)主要諸元
エンジン : 強制空冷2サイクル
最高出力 : 3.6PS/6,000rpm
全長×全幅×全高 : 1.520×0.630×
(単位m)   0.960
車両重量 : タクトDX 50kg
(乾燥) (セル付52kg)
  タクトフルマーク 54kg
発売 : タクトDX  昭和55年9月
タクトフルマーク 昭和56年7月
価格 : タクトDX 108,000円
タクトDXセル付 118,000円
タクトフルマーク 128,000円




← 前ページへ--- 目次へ--- 次のページへ →