Hornet - 1996.02

HORNET
Hornet
 
ライディングフィール

 ライディングの味付けにあたっては“250ccの軽快な取り回しに、ビックバイクの確かな手応え”をテーマに開発を進めました。

具体的には
  • 市街地での扱い易さと、ワインディングでの卓越したコーナリング性能を兼ね備えた250ccならではの軽快な取り回しの実現
  • しっとり感・安定感・重厚感を兼ね備え、バンクさせても確かな手応えのあるビックバイクを彷彿させるハンドリング
この相反する2つの要素を具現化するため、下記の3つのポイントについて徹底的に追求しました。

ワイドタイヤの採用
タイヤ  軽快性と手応えのあるハンドリング、安定感を確保するため、ビッグバイク専用のラジアルタイヤを選択しました。
 数々のテストの結果、フロント16インチ(130/70ZR16)の軽快性に、リアのワイドタイヤ(180/55ZR17)を組み合わせることによって、従来の250ccクラスにはなかった足廻りとし、タイヤグリップに余裕を持たせることで安定感・安心感を実現する事が可能となりました。

モノバックボーンフレームの決定(完成車ディメンション)
ディメンション
ディメンション

 ディメンションは、ヘッドパイプ位置を前進させることでフロントの分担荷重を軽減させるとともに、エンジン搭載位置を高くし、ロール方向の力を出すことで、“軽快性と手応え”の基本スペックを決定しました。



 手応えのあるハンドリングを実現させるため、リアのワイドタイヤにマッチした剛性バランスを求めました。具体的には、スイングアーム側の剛性を向上させるとともに、新設計のモノバックボーンフレームを採用したことによるねじれ剛性の向上と、ねじれ中心のポイントを従来よりヘッドパイプセンターに近づけたことによって、しっとり感と安定感を両立した絶妙な剛性バランスとディメンションが得られました。

フレーム
モノバックボーンフレーム


別体式ピボットブラケット構造の採用および、リアホイール慣性マスの向上
リアクッション減衰力特性比較
リアクッション減衰力特性比較
 リア廻りの存在感と反力感を感じられるハンドリングとするために、従来のフレーム一体式からボルトオンの別体式ピボットブラケットを採用することで、フレームと足廻りとのバランスを図れる構造としました。さらに、リアホイール慣性マスを上げることで、ワイドタイヤの接地感とリア廻りの存在感が感じられる味付けとするとともに、特にリア廻りの存在感と反力感を出すために、市街地走行時の乗り心地から、連続したワインディングでの追従性をも向上させる新構造のクッションダンパー(ニューピストン)を採用し、各ピストンスピード域での独立したセッティングを可能としました。

以上の3点によって、従来のモーターサイクルでは味わえない、新しい『ライディングフィール』が完成しました。




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