オートマチックトランスミッション(1)


■HFT(開発の背景)
 Hondaはこれまで、趣味性の高い二輪スポーツモデルにマッチする新たなオートマチック機構の研究開発に、長年にわたり取り組んできました。1962年発売のジュノオM85に搭載した、油圧と機械の両方の駆動伝達力を高効率に利用する油圧機械式無段変速機の原理を応用しながら、軽量・コンパクトで耐久性に優れ、より高効率なオートマチック機構を目指して研究開発を推進。1990年には変速機に対してもっとも要求が厳しいとされるモトクロスマシンに電子制御の油圧機械式無段変速機を採用し、モトクロス全日本選手権でその性能を磨きました。油圧機械式無段変速機を搭載したワークスマシンRC250MAは優れたパフォーマンスを発揮し、翌1991年に全日本モトクロス選手権のシリーズチャンピオンを獲得しました。そのレースでの成功を受け、量産へ向けての研究を開始し、2000年には北米向けのATV(全地形走行車)に、過酷な環境に耐える信頼性と、多彩な地形を走破するためのエンジンブレーキ性能を磨いた電子制御の油圧機械式無段変速機を搭載。こうした長年の研究開発で培った技術を結集し、ライダーの意思にダイレクトに反応する軽量・コンパクトな二輪車用新型オートマチックトランスミッション「HFT(Human-Friendly Transmission)」を開発しました。


1962年 ジュノオM85

1991年 RC250MA


2000年 TRX500FA





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