CR250R/CR125R - 1989.09

CR250R/125R
CR250R/125R
 
CR250R/CR125R

〈足廻り〉
 CR125Rに新たに、'89CR250Rから採用している軽量・高剛性の倒立タイプ・フロントフォークを装備。また、250/125とも、大径インナーチューブ(φ45mm)のガイド部のブッシュ形状や圧入部形状、オイルロック機構などを一新するなど、徹底見直しを図り総合性能を一段と向上。

主な変更内容
(1) 倒立タイプ・フロントフォーク

CR125Rに新たに倒立タイプ・フロントフォークを採用。アウターチューブを専用で設定し、独自のセッティングとあいまって125に最適の性能を実現。
低フリクション化を徹底追求し、一層スムーズな作動性を実現。(250/125)

1. ガイド/スライドの両ブッシュに両端をテーパー状とするクラウニング加工を施すと同時に、ガイドブッシュ・ハウジング部もテーパー状とすることによって、スライドパイプのしなりにジャストフィットする形状としている。


2. ガイドブッシュに2本のオイル溝を設け、油膜保持力を向上。
フロント・サスペンション
ガイドブッシュ部断面
フロント・サスペンションガイドブッシュ部断面
3. アクスルホルダーをR/L共、キャップ割り締めタイプとし、ネジリ剛性を高めると同時にフリクションも低減。
4. 油膜保持力を向上させるため、添加剤を改良したクッションオイルを新開発。
名称「ホンダ ウルトラクッションオイル・スペシャル」
新オイルロック機構を採用(250/125)

1. オイルロック位置をボトムに近づけることによって、エアレーションの影響を低減。より安定したオイル・ロック効果を実現。
フロント・サスペンション
オイルロック機構
フロント・サスペンションオイルロック機構
2. シリンダーと新オイルロック・カラー間の流路絞り効果やバルブセッティングとあいまって、低速から高速まで、より優れた減衰力特性を実現。
従来からの特徴である大径薄肉構造(スライドパイプ:φ45mm/t1.7mm)によって軽量・高強度を両立。さらに、シリンダーとスプリングの並列構造が可能となり、アクスル下の突き出し量を極小化。
大型プロテクターの装備によって、フォークスライド部のプロテクション効果を高め、しかも、正立フォークと同じブレーキホース配管が可能となり、ホースがグランドヒットしにくいレイアウトが可能となり、同時に優れたエア抜き作業性も確保。
 
(2) ステアリングステムComp.(250/125)

ステムは、大径中空のアルミ製を採用し、強度と軽量化を両立。サイズアップしたテーパーローラー・ベアリング(下側)も薄型の専用設計とし、軽量化に貢献。
 
(3) フロント・アクスル(250/125)

バネ下重量軽減のため、中空フロント・アクスルを採用。
 
(4) ハイブリッド式スイングアーム(250)

軽量で強度・精度に優れたハイブリッド式スイングアームは、鋳造のクロスボディ部を一新し、剛性バランスを改良すると同時に、軽量化をも実現。
 
(5) プロリンク・レシオ(250)

プロリンクは、レシオ特性をより直線的でレシオ変化の大きい方向へ変更。スムーズなストローク感と、ライダーの体重差やコース状況の違いなどへの対応幅の大きい特性を得ている。
 
(6) リア・クッション(125)

リア・クッションは、バンプ・ストップラバーの容量を2倍(対'89比)に設定し、セッティング改良と合わせ、ビギニングからフルボトムまでよりスムーズで腰のある作動特性を実現。
 

サブタンク一体式のアルミダンパーケース内面に硬質アルマイト処理を施し、クッション性能の経時変化を低減。(250/125)
 
(7) リアホイールAssy.(250/125)

タイヤは、ショック吸収性/コーナリング時のグリップ性/重量に優れた18インチサイズを踏襲。'90では、パターン・構造を変更し、より幅広い路面コンディションに適合させている。
リムの断面形状を変更し、強度を高めている。
ドリブンスプロケットは、ワークスモトクロッサーと同じA7075-T6のアルミ材を採用し、優れた耐摩耗性を得ている。
 
(8) チェーンガイド(250/125)

耐摩耗性に優れたポリウレタン系材質のチェーンガイドは、一体成形した樹脂部をU字型のアルミ部材で覆った新形態とし、高強度・高剛性化を図ると同時に、より大きなグランドクリアランスを確保し、倒立フロントフォークとマッチした高いワダチ走破性を実現。

チェーンガイド
チェーンガイド




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