CBR250RR
CBR250RR
 
スーパー・レスポンス・エンジン

(3) ピストン/燃焼室形状の一新

 ピストンは、19,000rpm時の高荷重によるピンボス部への応力集中を緩和するため、コンピュータ解析による細密な形状検討を加え、15%の応力低減を図り十分な余裕強度を得ています。また、ピストン頭部形状を変更し、圧縮比向上に貢献させるとともに、スキッシュによるスワール効果を高め燃焼効率を向上させています。
 燃焼室は、吸・排気バルブの周囲から燃焼室壁を遠ざけることで吸・排気時のマスキングを低減し、バルブサイズをアップすることなく吸入効率を向上させています。また、コンピュータ設計の導入で、燃焼室形状精度を大幅に向上させることによって、スキッシュ部クリアランスを狭くする事が可能になり、カムギアトレーンの持つ特性のひとつである正確なバルブ挙動が維持できることによるピストンとバルブのクリアランス極小化(1mm以下)と相まって圧縮比も従来の11から11.5に高められ、燃焼効率を向上させています。


ピストンのFEM解析   燃焼室
ピストンのFEM解析   燃焼室

サイドスキッシュ形状〜吸入空気量  
サイドスキッシュ形状〜吸入空気量   サイドスキッシュ形状〜吸入空気量

(4) 第2世代のデジタルイグナイターを新たに採用

 エンジン回転数に応じて、最適点火時期の設定と供給を可能にするデジタル点火システムとして、演算速度やメモリー容量を大幅に向上させた新開発高性能CPUを採用した、第2世代のデジタルイグナイターを搭載。

1. クランク位置検出精度向上
演算速度が高められたため、高解像パルサーローターの採用が可能となり、クランク位置の検出精度を向上させています。
2. 始動性向上
高性能CPUの採用によってクランク1回転で着火可能となり、始動性を向上させています。
3. 高回転追従性向上
第2世代のデジタルイグナイターは、エンジン回転数に応じて制御モードの切り替えができ、20,000rpmもの超高回転領域でも、より正確な点火時期追従性を実現しています。
4. ワンパルサーシステムの採用
エンジンからのパルス信号の基準検出を、従来の信号間隔監視型から信号変動監視型に変更し、ノッキングなどのエンジン回転数急変動時にも失火することなく、より正確な点火が可能となるとともに、エンジン電装部品のシンプル化が図れました。


パルサー
パルサー




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