パワーユニット(4)


■4気筒独立式点火時期制御
 より緻密な点火時期制御を行なうため、それぞれのシリンダーで点火時期を演算検出する、4気筒独立式の点火時期制御を採用しました。従来の点火時期制御では、燃焼タイミングが360°異なる2つの気筒を1つの系統として点火制御を行なっていたため、片側の気筒にエンジン性能が左右されていました。今回は、より細かな点火時期制御を行なうため、それぞれの気筒毎に点火時期を演算検出する、4気筒独立式の点火時期制御を採用しました。これにより、高次元での緻密なパワーコントロールが可能となり、さらに扱いやすいエンジン特性の実現と、環境性能の向上に寄与しています。

■インテーク・エア・マネージメント
 PGM-FIの採用に伴い、空気の流入経路を一新しました。最新の流動解析技術を導入した吸気系解析を行ない、エアクリーナーからエアファンネル、インシュレーターまでを最適な形状としました。エンジンからエアクリーナー間は、空気の流入経路をよりストレートに近づけることで、吸入抵抗の少ない構造とし、エアクリーナー内部は細部にわたり形状の検討を行ない、最適な空気の流れを実現させました。

エアクリーナーの吸気系流動解析図


■エキゾーストシステム
 エキゾーストパイプ内には、第一集合部に2つ、第二集合部に1つと、それぞれに排出ガスを浄化する触媒装置(キャタライザー)を新たに搭載。キャタライザーには、プラチナとロジウムを用いた3元触媒を採用。合計3ヵ所に配置したキャタライザーのうち、前側の第一集合部には粗い目を、そして後ろ側の第二集合部には細かい目のキャタライザーをそれぞれ使用することで、出力特性への影響を最小限に留め、浄化性能を向上させながら、「PGM-FI」との相乗効果によって、有害物質排出量の大幅な低減を実現しました。
 また、エキゾーストパイプからサイレンサーにかけた排気系には、光沢のあるステンレス材を採用。サイレンサーは、容量を50%増加し、走行騒音を低減。外部に出る不要な音量を下げ、規制値をクリアさせながらも、二輪車本来の魅力あふれる排気音を演出することで、ライダーにさらなる満足感を提供しています。





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