CB1000 - 1992.11

CB1000
CB1000
 
パワーユニット

〈水冷・4サイクル・DOHC・直列4気筒を搭載していること〉

 パワーユニットは余裕の走りと太いトルクを実現させるため、CBR1000Fの水冷・4サイクル・DOHC・直列4気筒をベースとしました。77.0×53.6mmのボア・ストロークをもつ998ccのエンジンは、カムチェーン駆動方式で、最高出力で93ps/8,500rpmを発生。ビッグバイクならではの《余裕の感動》を与える太いエネルギーを発揮します。
 さらに、その出力特性は、国内での使い勝手を重視し、中・低速域を重視しながらもスロットルレスポンスとリニアリティーの両立を実現した8.6kgm/6,000rpmのトルクフルなものとし、《太い走りの感動》を実現しました。
 また、エンジン自体にも機能美が感じられるような造形を追求し、シリンダーやシリンダーヘッドにはマットブラックメタリック塗装を施し、ヘッドカバーやクラッチカバー、クランクケースカバーには高い質感のバフ仕上げを施しました。さらにラジエーターは、カバーと本体の隙間を極力少なくするとともに、アルミプレートを両サイドに装着することによって、シンプルな構成の中にもクオリティ感を演出するなど、マシンと人のコミュニケーションを十分に満足させ、感動性能の一因である《所有する感動》を有する高品位な仕上げとしています。

パワーユニット

 点火系にはPGM-IG(電子制御点火装置)を採用しています。このシステムは、膨大な実走テストの結果を基に、様々な走りに応じた最適な点火時期をあらかじめマップ方式のコンピュータユニットにインプット。エンジン回転パルサーとスロットル開度センサーによってエンジン回転数とスロットル開度を検知し、演算処理をして、理想的な点火時期を瞬時に供給しています。この結果、トルクの増大をはじめ、一段と幅広い回転域での力強い燃焼力が得られ、微妙なアクセル操作にも忠実に応答するレスポンス性を発揮しながら、太い走りを実現しています。

PGM-イグニッション マップ図
PGM-イグニッション マップ図
 
出力特性
出力特性

 吸気系については、8.0Lの大容量エアクリーナーとφ34mmの口径を持つスラント型CVキャブレターの組み合わせで、吸気流速の向上を図ることにより応答性の良いスロットルレスポンスと、中・低速域での出力特性の向上を実現しています。

 バルブタイミングは、ベースエンジンとなったCBR1000Fと比較して、オーバーラップおよび、総開角をともに狭め、バルブリフト量もイン側/エキゾースト側ともに変更(8.8/8.5mm→7.5/7.3mm)することによって、スムーズなレスポンス性と出力特性の最適化を図りました。

バルブタイミング比較
バルブタイミング比較

 さらに、トルクフルなエンジンの出力特性を最大限に引き出すために、新設計の5速ミッションを採用(CBR1000Fは6速)。トルクフルな出力特性に合わせたワイドなレシオ設定とし、市街地から高速クルージングまで余裕ある走りを実現しました。

車速線図
車速線図

 排気系は、4-2-1の180度集合タイプに容量2.5Lのプリチャンバーを装備することによって、中・低速域のトルク感をさらに太いものとし、さらに消音効果を高めています。
 大容量4.5Lのアルミサイレンサーは、継目のないアルミインパクト成形とするとともに、表面にヘアライン処理を施し、高い質感を持たせています。

 このプリチャンバーとアルミサイレンサーの消音効果とあいまって、エキゾーストノートは静粛性を求めながらも、ビッグバイクならではの、太く、澄んだ直4サウンドとしています。

エキゾースト システム
エキゾースト システム




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