ホンダ新世代・超低燃費テクノロジ− - 1999.07

Technology

ホンダ新世界・超低燃費テクノロジー
 
ホンダIMAシステム 新世代1リッタ−・リーンバーンVTECエンジン

35Km/L 新世代のVTEC技術を活かしたリーンバーン(希薄燃焼)によって、ガソリンエンジンの徹底的な低燃費化に取り組みました。

●エンジンの主な技術
エンジンの主な技術

ホンダのエンジン技術の粋が注がれた、世界最軽量、3気筒1Lエンジン。
ホンダIMAシステム専用に開発された、3気筒1Lガソリンエンジン。ロッカーシャフトを1本化した、コンパクトヘッドの SOHCリーンバーンVTECを新たに完成。燃焼効率を高めるとともに、軽量・コンパクト化やフリクション(摩擦抵抗)の低減を徹底的に追求しました。さらに、排出ガスに含まれる有害物質の低減にも取り組み、リーンバーン時のNOx排出量を低減するなど、ホンダの持てるエンジン技術を注ぎ込み、低燃費と排出ガスのクリーン化を図っています。

ロッカーシャフトを1本化した
リーンバーンVTEC機構によって、燃焼効率を飛躍的に高めました。
低速回転時に、2つの吸気バルブの一方を 休止状態にするVTEC機構をベースに、 ロッカーシャフトを1本化して吸・排気バルブの挟み角を 30°にまで狭め、燃焼室をよりコンパクト化。 これによって圧縮比を高めることができ、いっそう 強いスワール(渦状に吸気された混合気)を 発生させることで、従来以上の急速燃焼を実現。 より広い常用域で高効率な希薄燃焼を可能にし、 飛躍的な低燃費の実現に大きく寄与しています。 ロッカーシャフト

■1Lエンジンの軽量化のための技術。
シリンダーヘッドのコンパクト化に加え、シリンダーブロックを薄肉スリーブ構造にしてブロック全体をコンパクト化 しています。さらに、排気側のロッカーアームをアルミにしたほか、インテークマニホールドやヘッドカバー、補機プーリーの樹脂化や、オイルパンのマグネシウム化など軽量化を徹底。1Lエンジンでは世界最軽量を実現しています。

ローラー同軸VTEC機構をSOHC用に
開発し、エンジン細部にわたってフリクション
の低減を徹底しました。
減速エネルギーを回生するホンダIMAシステムは、 フリクションが少ないほど多くのエネルギーを 回生できるため、フリクションの低減はとても重要な テーマとなります。そこで、動弁系の構造はもちろん、 部品の材料や表面処理まで見直し、フリクションを 徹底して低減しました。まず、S2000で採用した ローラー同軸VTEC機構を、SOHC用に開発。 ロッカーアームの軽量・コンパクト化により慣性重量を 低減しました。また、シリンダー軸とクランク軸が オフセット構造となるようにシリンダーを配置し、 ピストンの摺動損失を低減。しかも、ピストン表面の ディンプル加工によって油膜を効果的に保持。さらに、 軽量な浸炭鍛造コンロッドや低張力ピストンリングの 採用などによって摩擦抵抗を徹底的に低減し、 高効率・低燃費化を図っています。
●ローラー同軸VTEC機構構造図
ローラー同軸VTEC機構図
●ローラー同軸VTEC機構
カムフォロワをローラーベアリングタイプとし、 接触部のフリクションを大幅に低減。しかも、 VTEC切り換え用の連結ピストンピンをローラーの インナーシャフトに内蔵することで、ロッカーアームの 軽量・コンパクト化を実現し、慣性重量を低減しています。
●軽量・高剛性な浸炭鍛造コンロッド
コンロッドは、軽量・高剛性な 鍛造製としたうえで、 浸炭処理によって表面をさらに強化。 徹底したスリム化が可能となり、 従来に比べて約30%の 軽量化とともに高強度化も 実現しています。
浸炭鍛造コンロッド
●約30%の軽量化を実現した、
浸炭鍛造コンロッド




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