FACT BOOK
STREAM
STREAM 2006.7.13
Motion Performance | Power Train
限りなくリニアなレスポンスで爽快感をもたらす、高知能パワートレイン。
低速域からのスムーズな力強さとクルーズ走行時の
圧倒的な低燃費を両立。さらに高水準のクリーン性能をも達成した、「可変吸気量制御」i-VTECエンジン。
Honda独創のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)を進化させ、低負荷走行時に吸気バルブの閉じるタイミングを遅くする、「可変吸気量制御」i-VTECエンジン。ストリームでは新開発の2.0Lと1.8Lの2タイプをラインアップしました。バルブタイミング制御と同時に、DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)によってスロットルバルブを最適に制御する可変吸気量制御により、吸気抵抗によるエネルギー損失(ポンピングロス)を大幅に低減。エネルギー効率を高め、クルーズ走行時の燃費性能を大きく向上しました。そのうえで、吸気効率や圧縮比などを向上し、低速域からの力強いトルクを発生するとともに、徹底したフリクション低減や高精度の空燃比制御などにより優れた低燃費を実現。しかも、高水準の排出ガスクリーン性能も達成しています。 2.0L  i-VTECエンジン
■2.0L i-VTECエンジン
新開発2.0L「可変吸気量制御」
i-VTECエンジン(G、RSZ〈2.0L〉)
1.8L「可変吸気量制御」
i-VTECエンジン(X、RSZ〈1.8L〉)
エネルギー効率を高める「可変吸気量制御」i-VTECシステムに加え、全域でトルクフルな特性が得られる3ステージ可変管長インテークマニホールドを採用。また、バランサーを採用し、ロアブロックに鉄を鋳込むなど、低速からのスムーズな力強さと静粛性を両立しています。それらにより、110kW[150PS]、190N・m[19.4kg・m]を発揮するとともに、10・15モード燃費14.8km/L※1を達成し、「平成22年度燃費基準+10%レベル」※2をクリア。しかも、国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定も取得するなど、高水準の環境性能を実現しています。
「可変吸気量制御」i-VTECシステムに加え、最適な吸気慣性効果が得られる可変管長インテークマニホールドを採用。103kW[140PS]、174N・m[17.7kg・m]を発揮します。さらに、10・15モード燃費14.8km/L※1を達成し、「平成22年度燃費基準+10%レベル」※2をクリア。しかも、国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定も取得するなど、高水準の環境性能を実現しています。 Photo:1.8L  i-VTECエンジン
Photo:1.8L
i-VTECエンジン
■2.0L「可変吸気量制御」i-VTECエンジン性能曲線図

■1.8L「可変吸気量制御」i-VTECエンジン性能曲線図

2.0L  「可変吸気量制御」i-VTECエンジン性能曲線図 1.8L「可変吸気量制御」i-VTECエンジン性能曲線図
2.0L「可変吸気量制御」i-VTECエンジン
最高出力* 110kW[150PS]/6,200rpm
最大トルク* 190N・m[19.4kg・m]/4,200rpm
10・15モード燃料消費率 14.8km/L ※1
「平成22年度燃費基準+10%達成車」(FF車)
「平成22年度燃費基準達成車」(4WD車)
国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定
1.8L「可変吸気量制御」i-VTECエンジン
最高出力* 103kW[140PS]/6,300rpm
最大トルク* 174N・m[17.7kg・m]/4,300rpm
10・15モード燃料消費率 14.8km/L ※1
「平成22年度燃費基準+10%達成車」(FF車)
「平成22年度燃費基準+5%達成車」※3
国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定
*ネット値 ※1 G(FF) ※2 FF車 *ネット値 ※1 X(FF) ※2 FF車 ※3 X(4WD)。メーカーオプションの17インチアルミホイール装着車およびRSZ(1.8L/4WD)は「平成22年度燃費基準達成車」
吸気バルブの閉じるタイミングを切り換え、全域での高いエネルギー効率を実現する、
「可変吸気量制御」i-VTECシステム。 
「可変吸気量制御」i-VTECシステムは走行状況に応じ、DBWによるスロットルバルブ制御と、VTEC機構による吸気バルブの閉じタイミング制御(2バルブのうち1バルブ)を行い、クルーズ時などの低負荷走行時にはポンピングロスを低減し、発進・加速時など高い出力・トルクを必要とするときには、吸気充填効率を最大限に高めます。これまでポンピングロスにより悪化していた低負荷走行時のエネルギー効率を大幅に向上することで、トルクフルで力強い走りと低燃費を両立しました。

ポンピングロスを低減することでクルーズ燃費を向上する、吸気バルブの閉じタイミング制御。
通常、クルーズ時(低負荷走行状態)などのスロットルバルブ開度が小さいときには、吸気経路が狭められるためポンピングロスが大きくなります。「可変吸気量制御」i-VTECシステムは、低負荷走行時などでもDBWによってスロットルバルブ開度を大きめに制御し、スムーズに吸気。そして、VTEC機構によって、吸気バルブを通常の圧縮開始時期よりも遅く閉じることで、一度シリンダー内に吸い込んだ混合気の一部を吸気ポートに戻します。その結果、スロットルバルブ開度を小さくすることなく吸気量の制限を実現。吸気抵抗の減少により、ポンピングロスを最大16%低減でき、その分エネルギー効率が向上したことで、通常ガソリンエンジンに対してより少ない燃料で低負荷走行に必要なトルクを発生。クルーズ時の燃費性能を大きく向上し、2.0Lエンジンでは1.7Lエンジン相当、1.8Lエンジンでは1.5Lエンジン相当のクルーズ燃費を実現しました。
※1.8Lエンジン。2.0Lエンジンは最大15%低減 数値はHonda測定値
■クルーズ時の吸気バルブ/スロットルバルブ制御イメージ
クルーズ時の吸気バルブ/スロットルバルブ制御イメージ クルーズ時の吸気バルブ/スロットルバルブ制御イメージ クルーズ時の吸気バルブ/スロットルバルブ制御イメージ
スロットルバルブ開度を大きめに制御し、スムーズに吸気 ピストンが下死点を過ぎ、上昇をはじめても吸気バルブを閉じない 一度吸い込んだ混合気の一部を吸気ポートに押し戻してから吸気バルブを閉じ、クルーズに必要な混合気量に調整
■バルブタイミングイメージ
バルブタイミングイメージ

走行状況や負荷に応じて
知能的にバルブ作動を制御。
■i-VTEC機構作動イメージ
i-VTEC機構作動イメージ[アイドル/加速時]
アイドル/加速用ロッカーアームとクルーズ用ロッカーアームは 分離した状態。アイドル/加速用カムでバルブを駆動
i-VTEC機構作動イメージ[クルーズ時]
アイドル/加速用ロッカーアームとクルーズ用ロッカーアームを シンクロピストンで連結。クルーズ用カムでバルブを駆動
「可変吸気量制御」i-VTECシステムは、スロットルバルブ開度や車速、エンジン回転数、ギアの状態などから走行状況を検知し、吸気側に備えたアイドル/加速用およびクルーズ用のロッカーアームを、シンクロピストンによって連結/分離することでバルブタイミングの切り換えを行います。また、連結/分離ともに油圧で行う2系統油圧回路を採用することで、低回転域での切り換えを可能にしています。
[クルーズ用バルブタイミングへの切り換え条件]
・エンジン回転数:1,000〜3,500回転
・トランスミッションのギア:3速以上(5速AT)/3速相当以上(CVT)
■各バルブタイミング作動領域
各バルブタイミング作動領域

バルブタイミングの切り換えによるトルク差を抑え、スムーズな作動を実現。
スロットルバルブ開度が一定の状態でバルブタイミングの切り換えを行うと、エンジントルクが急激に変化してショックが生じるため、DBWでスロットルバルブ開度を適切に制御することでトルク差を抑制。乗員に切り換えによる違和感を与えないスムーズな作動を実現しています。
可変管長インテークマニホールドやピストンオイルジェットを採用し、全域で力強いトルクを発揮。
全域で最適な吸気慣性効果が得られる可変管長インテークマニホールドを採用。2つのエンジンの特性に合わせ、それぞれ異なる仕様としています。1.8Lエンジンでは、約5,200回転を境に、管長を低回転域では長く、高回転域では短く制御。2.0Lエンジンでは、約3,200回転までは短く、そこから約4,700回転までは長く、それ以上の高回転域では再び短くする、3ステージ制御を採用。両エンジンともに全域でトルクフルな特性を実現しました。また、シリンダーブロックからオイルを噴射し、効果的にピストンを冷却するピストンオイルジェットの採用により、耐ノッキング性能を向上し、高圧縮比化に貢献しています。これらにより全域で高トルクを発揮し、特に市街地での発進・加速で多用される低速トルクを向上しています。
■管長切り換えイメージ(1.8Lエンジン)
管長切り換えイメージ(1.8Lエンジン)
■管長切り換えイメージ(2.0Lエンジン)
管長切り換えイメージ(2.0Lエンジン)
 
扱いやすさと、力強い加速感を両立する、DBWセッティング。
アクセルペダル操作をセンサーで感知し、スロットルバルブを電子制御することで自然でリニアなアクセルフィールを生み出すDBWを採用。アクセルペダル開度に対するスロットルバルブ開度を走行状況に応じて変化させ、発進時のスムーズな扱いやすさ、常用域の力強さ、追い越し加速時などの伸びのよさを両立。より自然でスムーズな走りを実現しています。
フリクション低減と軽量・コンパクト化を追求。
●フリクション低減
ピストンスカート二硫化モリブデン(MoS2)ショット加工
メインベアリング二硫化モリブデン(MoS2)ショット加工(2.0Lエンジン)
イオンプレーティング・ピストンリング(オイルリング)
プラトーホーニング加工
●軽量・コンパクト化
アルミロッカーアーム
エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッド
樹脂ヘッドカバー
樹脂インテークマニホールド
低比重樹脂エアクリーナーケース
高強度クランクシャフト(2.0Lエンジン)
高強度熱間鍛造クラッキングコンロッド
細幅カムチェーン
オイルポンプ内蔵チェーンケース
「平成22年度燃費基準+10%」(FF車)を達成した、優れた燃費性能。
「可変吸気量制御」i-VTECシステムによる高度な燃焼制御に加え、各部のフリクション低減やトランスミッションの高効率化、湿度感知エアコン・コンプレッサー協調制御などにより、実用燃費を向上。全タイプで「平成22年度燃費基準」に適合し、さらにFF車では基準を10%以上上回る優れた燃費性能を達成しています。
全タイプで国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定を取得した、優れたクリーン性能。
リニアA/FセンサーやO2センサーに加えエアフローメーターとマップセンサーの採用により、空燃比制御をさらに高精度化。燃焼ガスそのものをクリーン化しました。そのうえで、シリンダーヘッド内で燃焼ガスを集合させるエキゾーストマニホールド一体構造により、燃焼ガスの熱損失を大幅に低減。さらに、シリンダーヘッド直下に2ベッドキャタライザーを設置し、キャタライザーの早期活性化を実現することでコールドスタート時の浄化性能を高めています。この結果、優れたクリーン性能を実現し、全タイプで国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定を取得しています。
力強い発進と変速ショックのないスムーズな走りを実現する、トルクコンバーター付CVT。(G、RSZ〈2.0L〉のFF車)
トルクコンバーターによる力強い食い付き感のある発進特性と、変速ショックのないなめらかな加速特性により、全域にわたってハイレスポンスな走りを実現する、トルクコンバーター付CVTを採用しました。ドライバーのアクセル操作や路面の勾配などから走行状況を判断し、スポーツ走行や低燃費走行、その時々に最適なエンジンブレーキの発生など、ドライバーの意志に、より忠実な変速制御を実現。さらに、コーナリング時の横Gを算出し、スポーティな走行状態であると判断するとアクセルオフ時のエンジン回転数を高めに保持し、効果的なエンジンブレーキと再加速時のハイレスポンスな駆動力が得られるコーナリングGシフト制御を採用したほか、VSAやDBW、IHCCなどとの協調により、いっそうスムーズな走行フィールを獲得しました。また、「可変吸気量制御」i-VTECエンジンとの組み合わせにより、「平成22年度燃費基準+10%」を達成する優れた燃費性能に貢献しています。 Photo:G
Photo:G
トルクコンバーターにより、力強い発進加速を実現。
トルクコンバーター自体が持つトルク増幅効果によって、スムーズで力強い発進加速を実現。これにより駆動力が鋭く立ち上がり、その後はCVTならではのなめらかで伸びのある加速を発揮します。また、発進時以外のほぼ全域でのロックアップが可能なため低燃費化にも貢献。適度なクリープ力も確保しています。
エンジンの特性を最大限に活かし、優れた加速性能や燃費性能を発揮する、
コンパクト設計の5速オートマチックトランスミッション。(X、RSZ〈1.8L〉のFF車)
エンジンの特性をフルに活かし、力強い加速と低燃費を同時に実現する5速オートマチックトランスミッションを採用しました。5速化によって従来モデルの4速ATに対し、ギアレシオをよりクロスに、よりワイドに設定。リニアソレノイドによるダイレクト制御やDBWとの協調制御と合わせ、鋭い発進性能と変速ショックの少ないスムーズな加速、優れた高速クルーズ燃費を両立しています。また、平行3軸構造や超薄型トルクコンバーターの採用、4速と5速のドリブンギアの共用化などにより、全長で−56.5mmのコンパクト化を達成。すべてのギアでのロックアップ制御に加え、低フリクションクラッチの採用やオイルの攪拌抵抗低減など徹底した高効率化により、低燃費にも大きく貢献しています。
※従来モデルの4速AT比 Honda測定値
Photo:X
Photo:X
全ギアでのロックアップを実現。
■シフトホールド制御作動イメージ図
シフトホールド制御作動イメージ図
きめ細かな制御によりロックアップ領域を大幅に拡大するアクティブロックアップをすべてのギアに適用し、トルクコンバーターのすべりによるエネルギーロスを最小限に抑えました。さらに、アシストロックアップスプリングを追加することで、ロックアップする際の応答時間も短縮しています。
不要な変速を抑え、スポーティな走行を 楽しめる、シフトホールド制御。
ドライバーのシフト感覚により近い制御を行うシフトホールド制御を採用しました。Dポジションでの走行時に、ドライバーのアクセル操作や車速変化などから走行状態を瞬時に判断し、最適に変速制御。特にワインディングなどでのスポーティな走行時には、アクセルのオン/オフによる不要な変速を抑え、充分なエンジンブレーキによる減速やタイムラグのない鋭い加速が得られます。
※RSZ(1.8L)は、Sポジションを選択してもパドル操作を行うまでは自動変速状態であり、シフトホールド制御されます。
4WD車専用5速オートマチックトランスミッション。(全タイプの4WD車)
4WDのたくましい走りを支える大容量設計の5速オートマチックトランスミッションを採用。リニアなレスポンスと変速ショックの少ないスムーズな加速とともに、優れた燃費性能も実現。しかも、コンパクト設計としています。そのうえで、スポーティな変速を楽しめるシフトホールド制御を採用したほか、ロックアップ領域とフューエルカット領域を拡大するきめ細かな変速制御により実用燃費向上にも寄与しています。
RSZには、高知能制御でより使い勝手を高めたパドルシフトを採用。
RSZはCVT車/5速AT車ともに、ステアリングホイールから手を放さずにマニュアル感覚のシフト操作が行えるパドルシフトを備えたうえで、制御を高知能化しました。Dポジションで走行中にパドル操作を行うと自動的にマニュアル変速モードになり、その後走行状態やパドルシフトスイッチ操作、アクセルペダルの操作量を検知し、自動的に自動変速モードに復帰。変速モード切り換え操作を必要とせずにパドル操作が行えるため、より気軽にスポーティな変速操作を楽しめます。なお、Sポジションでパドル操作をしたときは、自動変速モードに復帰しないマニュアル変速モードとなります。
CVT車には、より知能的な7スピードモードを採用。
CVTならではの高い変速設定自由度を活かした7速のマニュアル変速モードを採用。制御を高知能化し、1回のパドル操作でそのときの走行状況に最適な変速比を選択します。たとえば同じ車速からでも、ゆるやかな加速時には5速を選択し、降坂時など、エンジンブレーキが必要と判断したときには3速を選択、といったドライバーの感覚により近い知能的な変速制御を実現。さらに、左右輪の回転差からコーナリング中と判断すると、自動変速モードに復帰しないパドルホールド制御も備えています。なお、5速AT車も2回連続してパドル操作を行うと2段変速するなど、スポーティな制御としています。
パドルシフト ■パドルシフト制御イメージ図(CVT車)
パドルシフト制御イメージ図(CVT車)

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