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| 新開発6速マニュアルトランスミッション
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ショートストローク、低シフト荷重の両立 |
前後方向36mmの、世界最高水準のショートストロークによるクイックなシフトフィールの実現のために、相反して高まるシフト荷重を従来のFRトランスミッションに例のない、独自の独立出力側減速機構(IOR:Independent
Output Reduction gear train)の採用を中心とする技術で低減しました。 IORとは、トランスミッションの入力側に減速ギアを設けるFRの一般的な手法に対し、出力側に独立した減速ギアを設ける機構をいいます。
これにより、シフトチェンジの際、シンクロナイザー被同期側のギア数を減らすことができ、シンクロナイザー負荷を低減することができます。これにより、シフト荷重を構造的に低減。1〜4速にマルチシンクロナイザーを、2速には新開発の大容量トリプルコーンシンクロナイザーの適用とあわせ、36mmのショートストロークと軽快なシフトフィーリングを両立させました。
また、IORによって各ギアのアイドルギア数が構造的に減少することにより、低速段では回転エネルギーが低減されるため、歯打ち音に対しても有利な構造となります。
通常のマニュアルトランスミッションでは、歯打ち音対策のためにダブルマスフライホイールなどを採用しますが、クラッチ慣性重量増加を招き、エンジンのレスポンスを低下させてしまいます。
IORの採用により、フライホイールの慣性重量を増加させることなく歯打ち音が低減でき、エンジンのレスポンス向上に大きく寄与しました。 さらに、インプットシャフトとアウトプットシャフトを独立する構造により、高回転まで確実な軸内潤滑手法を採用。内蔵したトロコイド式のオイルポンプにより、9,000rpmの超高回転時や急激な横Gが発生した時でも安定した潤滑が可能となりました。 |
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図4. | 2速に適用した大容量トリプルコーンシンクロナイザー |
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