S2000 - 1999.04

S2000

S2000
 

Technology #1 Engine

新型2リッター4気筒DOHC VTEC エンジン

さらなる高出力化のためにDOHC VTEC 機構を進化
世界最高水準の高出力を得るためのフリクションの低減と高回転化、コンパクト化を達成するためにDOHC VTEC機構を進化させています。
進化したDOHC VTEC機構の中心は、新設計したローラー同軸VTECロッカーアームです。まず、フリクション低減のためにカムとの接触部へローラーを適用。そして、慣性重量を低減するコンパクトな設計とするために、ローラーの中にVTEC切替用の連結ピンを内蔵させた一体構造を新開発。また、金属射出成形法を新たに採用し、ロッカーアームを高精度に仕上げることとあわせ、ローラー同軸VTEC構造を実現。これにより、動弁系のフリクションを約70%低減させています。また、充填効率の向上などにより優れたトルク特性が得られたことと、超高回転技術によって、5,850〜9,000rpmという広い回転域をハイバルブタイミング域に設定し、高レスポンスと高出力化を実現しました。

進化したDOHC VTEC構造にともない、エンジンヘッドを新開発。高回転対応設計としながらも、きわめてコンパクトなものとしました。ローラーフォロアの採用により給油量の低減を図るとともに、カムシャフトを中空構造とし、カムジャーナルへの給油通路とすることでオイル通路を単純化、集約化。また、バルブスプリングに高強度材を採用し、従来の楕円断面ダブルタイプから丸線シングルスプリングとすることで慣性重量を低減しコンパクト化。
さらに、カムシャフトを駆動するギアの小径化、バルブ挟み角の狭角化などにより、DOHC VTECシリンダーヘッドながら、従来のSOHCと同等レベルまでコンパクト化しました。

図4.ローラー同軸VTECロッカーアームにより進化したDOHC VTEC機構
進化したDOHC VTEC機構
図5.新設計のDOHC VTECシリンダーヘッド

DOHC VTECシリンダーヘッド


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