ODYSSEY - 1994.10

ODYSSEY

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テクニカルノート



PLEASURE & NATURAL


高感度走行性能 高感度走行性能


人間のシフト感覚に近いAT。PROSMATEC(プロスマテック)(Type II)。

オデッセイは、全タイプにローホールド機構付7ポジション電子制御4速オートマチックを搭載。ホンダ独創の知能的な変速スケジューリングシステムPROSMATEC(Type II)を採用しました。このシステムは、D4、D3レンジでの走行において、スロットル開度やエンジン回転数、車速などをコンピュータが判断し、一部にファジー理論を応用して最適なシフト制御を行ないます。さらにオデッセイでは、登坂路におけるファジー制御の適用範囲を従来までの3速-4速から、2速領域まで拡大。大勢が乗車した場合でも、よりスムーズで人間の感覚に近いシフトフィーリングを実現しています。

登坂路走行(UP HILLモード)
登坂路を走行した場合には、ファジー制御によって変速ポイントを3速、あるいは2速走行領域まで連続的に変化させ、勾配の変化に応じた最適なシフトを選択。不本意な自動変速を防ぎ、乗員の多い場合でもパワフルでスムーズな走行を実現しています。

降坂路走行(DOWN HILLモード)
降坂路では、車速やブレーキ操作などから、3速、さらに2速までシフトダウン。減速ロックアップとの組み合わせにより、軽いエンジンブレーキ効果を発揮し、スムーズで安心感のある降坂走行を可能にします。

市街地走行(CITYモード)
50km/h以上からの減速時に、4速で走行している場合は早めに3速ヘシフトダウン。軽いエンジンブレーキ効果が得られるとともに、ストレスのない再加速を可能にします。コーナーや市街地走行で減速・最加速に有効です。

変速ショックを低減。
変速時にエンジンの点火タイミングを一瞬遅らせて発生トルクを抑えるリタード制御や、電子制御データを最適化し、変速ショックの少ない高品位なオートマチックを実現しました。

新開発、コラムシフト式オートマチックセレクトレバーシステム。
オートマチックセレクトレバーをコラム式にするために、構成パーツを集約して小型化を図りました。また、コラムユニットの適所に樹脂部材を採用し、セレクトレバーの遊びを抑えて騒音を低減しながら、軽量化も達成。さらに、ATミッションディテントにベアリングを採用するとともに、ATワイヤーにフリクションの少ないライナー材を用いることで、チェンジ荷重を下げ、良好な操作フィーリングをもたらしています。

コラムシフト式オートマチックセレクトレバーシステム
Photo:Lタイプ SRSエアバッグシステムはメーカーオプション

変速パターンの一例イラスト



良好な取り回しを実現した、コーナーラウンドデザイン。
フロントのオーバーハングを短く設定し、なおかつフロントバンパーのコーナーに丸みを持たせることで、クルマが実際に旋回する際の実資的な回転半径をさらに小さくしています。その結果、ロングホイールベースでありながらも良好な取り回しが得られ、縦列駐車や車庫入れなどもスムーズに行なうことが可能です。 コーナーラウンドデザイン


高水準シャシーバランス 高水準シャシーバランス


乗り心地と安定感を高めた、低重心&ロングホイールベース。
フロントエンジン・レイアウトをはじめ、セダン同様のシャシーレイアウトとすることで低重心化を図るとともに、ロングホイールベースとしました。この低重心・ロングホイールベースの利点を活かしながら、サスペンションなどに最適セッティングを施すことで、ソフトでありながらフラット感のある快適な乗り心地と、高速走行でも優れた直進安定性を実現。また、ロールやピッチングを極力抑え、ワンボックス・カーなどに見られる“ゆさゆさ感”のない、高いコーナリング安定性を得ています。大勢が乗る場合でも、市街地から高速道路まで安心感のある乗車フィールが得られます。

低重心&ロングホイールベース


広い空間を確保しながら
快適な走りを基本から支える、高剛性ボディ。
乗り心地、操縦安定性、静粛静など、快適な走りを基本から支えるのがボディ構造です。オゼッセイのボディは、広くて使いやすい空間の確保とともに、快適な走りを実現するため、ボディ全体の徹底した剛性アップを図っています。ボディの基礎となるアンダーフレームは、フロア下面に大断面の骨格を縦横に配したラダーフレーム構造の採用により、剛性を高めながら、フロアトンネル部やシートブラケットなどの凸部を排除。高剛性を実現しながら、フラットフロアやセンターウォークスルーなどを可能にしています。また、フロア骨格からフロントピラー、ルーフサイドレールまで、各構造体の断面形状やサイズの最適化を図るとともに、適所に補強部材を採用。走りの高資感や安心感など、数値では表わせない性能までも、高次元で達成しています。


大断面ラダーフレーム構造図

大断面ラダーフレーム構造図



走りと燃費を両立させた、空力特性フォルム。
オデッセイは低全高で前面投影面積が小さく、空気抵抗を低減させています。そのうえで、ボディ全体を気流がスムーズに後方へ流れるなめらかなフォルムにし、リアエンドのテールゲート上部やサイドパネルは、後面への巻き込みを低減する形状としました。さらに、フロントバンパー下部をスポイラー形状として下面の気流に対しても効果を高め、サイドシルも空力を考慮した形状とするなど、トータルで高い空力特性を獲得。これらにより、しっかりとした高速直進性を確保しながら、燃費性能も向上させています。また、トンネル出口などで受ける急な横風にも強く、確かな操縦安定性を確保することでハンドルを大きく取られてしまう心配もなく、安心感の高い走りを実現しています。


空力特性フォルム側面 空力特性フォルム上面



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