FACT BOOK
FIT
FIT 2007.10.18
Driving(パワートレイン2)
燃費向上技術
1.3L、1.5Lともに、低フリクション化をはじめ、さまざまな角度から燃費性能を追求しました。
世界初、パターンピストンコーティングの採用。
ピストンのスカート廻りの形状を変更し、表面形状をチューニングすることで、フリクション低減、ピストンスラップ音の低減をはかりました。同時に表面コーティングに模様をつける、世界初のパターンピストンコーティングを採用。オイル保持性を向上させ、さらなるフリクション低減を実現しています。そのうえ、シリンダー内面のより精巧な研磨・加工や、クランクシャフトを支えるメインベアリングの油膜を最適保持するため二硫化モリブデンをショットするなど、細部までチューニングを徹底しています。
■パターンピストンコーティング図
パターンピストンコーティング図
補機ベルト駆動システムをオートテンショナー化。
補機ベルト駆動システムにオートテンショナーを採用。これは、負荷に応じてテンションを自動調整するもので、ベルトの張力は安定、動張力変動もオートテンショナーが吸収します。これにより、低負荷時のベルト張力が低くなり、エンジンの摩擦抵抗を削減できるため、燃費向上につながります。
■補機ベルト駆動システム構造図
補機ベルト駆動システム構造図
シリンダーヘッド一体型エキゾーストマニホールドと新開発の高耐熱触媒コンバーター。
シリンダーヘッドと一体化したエキゾーストマニホールドを採用。同時に、その直下への設置を可能にする高耐熱触媒コンバーターを新開発しました。これはキャタリストを支える周囲のマットに高耐熱素材を採用したもので、ファイバーの変形を抑制することで、マット耐熱温度を大幅に高め、キャタリストの限界使用温度を40℃向上。高速域や高負荷域での燃料消費量低減に貢献し、実用燃費向上に効果を発揮します。
●数値は従来モデル比。
■シリンダーヘッド構造図
シリンダーヘッド構造図
排気ポート形状
排気ポート形状
軽量樹脂ヘッドカバー
樹脂製のヘッドカバーを適用し軽量化をはかりました。アルミ製ヘッドカバーに対し、ウエイトを約1kg低減。燃費向上に寄与しています。
1.3L 1バルブ休止VTECとEGRシステム。
EGR(排気ガス再循環)システムはエンジンの状態によって、きめ細かく制御することで燃費を大きく改善できるシステムです。特に1.3Lにおいては、バルブ休止VTECの採用で吸気バルブの片方を休止することによって、シリンダー内のスワール量を強化。シリンダー内の混合気分布を最適化させることで、EGRの効果を格段に向上させています。これにより、排気ガスの再循環量を増加させても安定した燃焼が可能となり、高い燃費性能につなげています。
■吸気スワールイメージ図
吸気スワールイメージ図
スワールによるEGR効果アップ
高着火性スパークプラグを採用。(1.3L)
1.3Lは、細径電極をダブルにし、上部をイリジウム合金、下部を白金とした、高着火性スパークプラグを採用しています。これにより着火性が格段にアップしたことで、EGR導入時の燃焼が安定し、低燃費を実現しています。
■高着火性スパークプラグ説明図
高着火性スパークプラグ説明図
環境性能向上技術
今後予想される環境規制を見据えて、対応をめざしました。
シリンダーヘッド一体型エキゾーストマニホールドと新開発の高耐熱触媒コンバーター。
シリンダーヘッドに一体化したエキゾーストマニホールドと新開発の高耐熱触媒コンバーターは、燃費効果にすぐれると同時に、排出ガス低減に大きく貢献しています。エキゾーストマニホールドをシリンダーヘッドに内蔵することで、排気ポートをヘッド内で完結。その直下に高耐熱触媒コンバーターを取り付けました。排気ポートをアルミ製としたことで、エンジン始動直後の温度は早期に上昇。排気ガスが高温を保ったまま間近にある触媒まで素早く到達するため、触媒はロスなく活性化し、クリーン化を実現します。また、全世界的に供給量が限られているため社会的にも使用量の削減が求められている貴金属の使用量も大幅に削減しています。
高精度の空燃比制御を実現。
エアフローセンサーを採用するとともに、空燃比センサーをこれまでの2つのO2センサーから、LAF(広域空燃比)センサーとO2センサーのダブル制御にしました。これによりいちだんと高精度な制御が可能となり、つねに空燃比を的確にコントロール。触媒の貴金属を減らしつつ、高い排気ガス浄化性能を実現しています。
■排気ガス浄化(高精度空燃比制御)システム構造図
排気ガス浄化(高精度空燃比制御)システム構造図
革新のトルクコンバーター付CVT。(FF車)
「発進加速性能の向上」「高効率な制御」「コンパクト化」をテーマにCVTを新たに開発しました。発進加速性能を向上するため、トルクコンバーターを採用。きわめてスムーズで力強い加速を実現しました。同時に、燃費性能の向上にも挑戦。オイルポンプやベルト、プーリーの高効率・低フリクション化、新開発のクリープ制御システム、広域ロックアップクラッチなどにより、低燃費を実現しています。
トルクコンバーター採用によるハイレシオ化。
トルクコンバーターの採用により、発進時の駆動力を高めると同時にハイレシオ化を実現。クルーズ走行時のエンジン回転数を抑えることで、燃費向上につなげています。さらにベルト伝達効率の向上や、オイル攪拌抵抗、ベアリングフリクションの低減など、駆動力を効率よく伝える工夫を行なっています。
■発進加速G波形図(CVT車) ■トルクコンバーター付CVT構造図
発進加速G波形図(CVT車) トルクコンバーター付CVT構造図
コンパクト化を実現した新構造。
ドライブ軸に配置していたオイルポンプを小径・高効率にし別軸配置することで、コンパクトかつ低フリクション化を実現。加えて、ドライブ側のプーリーカバーとベアリングの一体構造やステーターシャフト集中油路構造などにより、大幅にコンパクト化しました。 プーリーカバー/ベアリング一体構造図 ステーターシャフト集中油路構造図
パドルシフトを設定。(RS)
RSには、ステアリングホイールから手を放さずに、マニュアル感覚のシフト操作ができるパドルシフトを設定。Dポジションで走行中、ワンアクションでマニュアル変速モードへ切り換えができ、軽快な走りと操作感覚が楽しめます。
パドルシフト パドルシフト
広域ロックアップクラッチを採用。
ロックアップクラッチ作動領域を発進時まで拡大。よりリニアなドライブフィールを実現しました。また発進時のスリップロスも低減し、燃費向上にも貢献しています。
新開発のクリープ制御システム。
アイドリング時の燃費向上のため、低速走行中、停止中でクリープ力を使い分けて最適制御するシステムを新たに開発しました。低速走行中は通常のクリープ力、ブレーキを踏んで停止したらノンクリープ状態に、ブレーキペダルから足を離すと再び通常のクリープ状態に復帰します。従来はブレーキを踏んでいるときもかかっていたクリープ力をオフにすることで、無駄な燃料消費を抑えます。もちろん、ブレーキをオフすればクルマはスムーズに動き出します。また、坂道では新たに採用した傾斜センサーにより、クリープ力を最適制御しています。
■クリープ力切り換え作動イメージ図
クリープ力切り換え作動イメージ図
5速ATを搭載。(4WD車)
より上質な走行性能を実現するため、5速ATを採用しました。これにより、スムーズなシフトチェンジ、ドライバーの意志に素早く応える心地よいドライブフィールを実現しています。アクティブロックアップ制御やコンパクト設計など、燃費向上のための技術も投入しています。(RSには、パドルシフトも装備しています)
走りの魅力をより楽しめる、5速MTも設定。(RS〈FF車〉)
RSには、1.5Lのパワフルな走りの魅力をより楽しんでもらえるよう、FF車に5速MTを設定しました。エンジンとのベストマッチングを追求し、高速域まで伸びやかな加速が味わえるようローレシオ化。MTならではの操る喜びを最大限に引き出すため、シフトストローク、ペダルストロークともに、操作荷重を最適化しました。新採用の2速、3速シンクロメッシュ機構のカーボン化などにより、人の感覚によりマッチするシフトフィール、クラッチ操作を実現しています。 5速MTシフトノブ

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