快適かつ高性能なドライビングを目指すNSXのミッドシップ・レイアウトにおいて、より優れた操作性をもたらすアクセルシステムを開発しました。それが[DBW]です。DBWとは、ドライブ・バイ・ワイヤの略で、ワイヤは電気的な配線を意味します。
[DBW]は、アクセルペダルの動きをセンサーが感知して電気信号を発し、ステップモーターに直結したスロットル・バルブをダイレクトに動かす画期的なシステムです。ミッドシップの場合、コクピット先端から後方に置かれたパワートレインまで、アクセルワイヤの長さは数mに達します。[DBW]は、スチール製アクセルワイヤを用いないため、フリクションなどペダルフィーリングに影響する要素がありません。そのためセンシティブなペダル感覚と、より緻密で信頼性に優れたスロットルのファインコントロールを実現します。また、このシステムは今後パワープラント系のトータルマネージメントシステムとして発展性、拡張性のあるテクノロジーです。
DBWは、もともとFBW(フライ・バイ・ワイヤ)という名称で高度の信頼性を要求される航空機技術として誕生しました。
油圧装置などの機械システムを排除することで、高度の軽量化と信頼性を実現させたこのシステムは、その後の航空機の進化を加速させただけでなく、F-1にも採用された高度な技術です。

信頼性確保のため2系統のセンサーを設置。1/10度刻みの緻密な制御とともに、高度な信頼性を実現しています。また、アクセルペダルがスロットルから機械的に分離されているため、設計時に任意に特性を設定できるメリットも生じます。新モデルでは、タイプRに近いペダルフィーリングとしました。
従来方式で存在していた、数メートルにおよぶスチール製のアクセルケーブル、オートクルーズ制御のための機械的なアクチュエーター、アイドルコントロールバルブ、ダッシュポットなどが不要となるため、アクセル関連システムが大幅に軽量化されました。
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