高出力になるほど、ヘッドまわり、とりわけシリンダー間における温度上昇などに対応しうる、きめ細かなクーリングシステムが不可欠になってきます。NSXは、冷却システムに最も負荷のかかる最高速テストや登坂テスト、さらには酷暑の砂漠でのテストなどを繰り返し、信頼性を高めてきました。
まず、ラジエターとラジエター用ファンを、フロントコンパートメント内に設置。軽量化を図り冷却効果を高めるためアルミ製ラジエターとし、冷却効率を最大にしています。同時に、従来ラジエターの前面に配置されていたエアコンディショナー用コンデンサーを左右パラレルにレイアウトすることでも、同様に冷却効率を高めています。
また、冷却液のパイプが長く、空気が抜けにくいため、水と空気を完全分離させるエクスパンションタンクを設け、エア抜き性能を向上させています。
エンジン側では、ウォータージャケットの削りこみを深くすると同時に、通路の大径化などを図り、水流をスムーズにしています。
そのほか、エンジンルームにも外気導入ファンを設け、冷却にも充分に配慮しています。
一方、オイルクーラーも4,800kcal/hと、大幅な性能アップ。内部のコアを11段とし、しかもコンパクトな構造のなかに収めました。 |