NSX - 1990.09

NSX

NSX
 
はじめに



ホンダは1964年、ニュルブルクリンク・サーキットでのドイツGPにおいて、
はじめて、モータースポーツの最高峰であるF-1レースに参戦しました。
前年の1963年、四輪車に進出する足がかりとなった、
S500という名のスポーツカーを世に問うたばかりの年でした。
以来ホンダは、自ら最も苛酷な場に身をおき、
あえて困難と試練のなかに立ちつづけてきました。
それは、もとより技術の限界を知り、繰り返しこれを打ち破ることで、
新たなテクノロジーの獲得をめざしたからです。
しかし、実際にこの根幹を支えてきたのは、何よりも—走ること。
すなわち、ひたすら最良の走りを求めようとする
強い意志があったからに他なりません。
意志はやがてホンダのスピリットとなり、
私たち自身の血となって、脈々と今日まで受け継がれてきたといえます。
そしていま、研究開発に6年半の歳月をかけ、
ホンダは新時代のスポーツカーNSXを創造しました。
奇しくも、私たちがはじめて世界にデビューした記念の地
ニュルブルクリンク・サーキットをはじめ、
さまざまな苛酷な道で熟成されて、いま、NSX誕生です。

—ミッドシップ・スポーツカーNSX—
our dreams come true.

ミッドシップ・スポーツカーNSX

ミッドシップ・スポーツカーNSX

NSX

過去に例のない、新しい考えと新しい性能をもったスポーツカーを創造したい。それも、自由な発想のなかから、次の時代を見据え、自分たちがベストと信じることのできるものを創造したい。それが、6年半にも及ぶNSX開発の、終始変わらぬ、そして最大のテーマでした。そのためにホンダは、まず、自らの思考を解放させるところから始めました。スポーツカーとはこういうものだ、とする旧来の概念に安易に妥協することなく、独自の判断をもって、一つ一つさまざまな新しいテクノロジーを確立していくことにより、真に人間に解放された、そして伝統からも解放された新時代のスポーツカーを誕生させたのです。




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