LEGEND - 1990.10

LEGEND
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ENGINE&TRANSMISSION

高品位ダイレクトフィールを発揮。7ポジション4速電子制御オートマチック。
7ポジション4速電子制御オートマチック
高性能で高品位感に充ちた走りを実現する上で、オートマチックトランスミッションの進化は、欠くことのできない要件のひとつでした。アコード インスパイア&ビガーで採用したコンパクト2軸平行・デフ別体式の縦置トランスミッションの基本構造をベースに、新機構を導入するなど細部にわたってファインチューニング。まったく新設計の7ポジション4速電子制御オートマチックを開発しました。FFミッドシップを成立させて、前後重量配分の適正化を図った上で、高トルクエンジンの性能を余さずリニアに伝える効率のよさを獲得。さらに、低振動、低騒音で変速ショックも少なく、洗練されたシフトフィーリングをそなえるなど、高品位ダイレクトフィール・オートマチックとして高い完成度を実現しました。

ドライバーの感覚にマッチした走りをスムーズに引き出す7ポジションシステム。
市街地でのゆったりとした走行から、ワインディングでのスポーティ走行までドライバーの感覚にマッチした走りを引き出せる、7ポジションシステム。通常のほとんどの走行に対応する1速から4速まで、1速から3速までをそれぞれ自動変速するD4、D3レンジに、2速ホールドする2レンジ、LOWホールド・クラッチ機構が働いてより強力なエンジンブレーキ性能を発揮する1レンジの前進4ポジションをそなえ、マニュアル感覚のシフト操作が行えます。また、アクセルON時だけでなく、アクセルOFF時にもロックアップの作動領域を拡大したデュアルモード・ロックアップ機構を採用。きめ細かな燃料制御との組み合わせにより、リニアな減速感覚と燃費の向上をもたらしています。もちろん、シフトタイミング、ロックアップなどのコントロールはすべて、高精度デジタルコンピュータによってフル制御。ドライバビリティと経済性を高次元でバランスさせています。

トランスミッション

エンジンのパワーをリニアに効率良く伝えるダイレクトフィールを実現。
オートマチックトランスミッションでありながら、マニュアルミッションにどこまでも近い、ダイレクトフィールをそなえること。トランスミッションの開発にあたり、まず掲げたテーマでした。そのために、トルクコンバーターのサイズをアップするとともに、ブレード形状を最適に設計。トルコン容量を充分に確保し、効率向上を果たしたことにより、V6エンジンの豊かなトルクをフルに活かした力強い加速性能を発揮させ、加減速時にもアクセルワークにリニアに呼応する、すべり感の少ない走りを実現しました。

変速ショックがきわめて低いスムーズな走りを達成した数々の新機構。
変速がスムーズなことも、このオートマチックの大きな特長です。変速ショックのきわめて低い、クォリティ感の高い走りを実現するために数々の新機構を導入しました。まず、通常設けられている1速のワンウェイクラッチに加えて、セカンド・ワンウェイクラッチ機構を搭載。これにより、4速、3速から2速へのキックダウン・ショックを軽減すると同時に2速から3速、4速へシフトアップした際のエンブレ感を解消しました。また、リバースクラッチを採用し、リバースへのインギヤ時にショックやメカニカル音が発生しない構造としました。さらに、変速時にエンジンの点火タイミングを一瞬遅らせて発生トルクを抑えるイグニションリタード制御や、リニアソレノイドバルブによってスロットル開度を油圧に正確に変換し、シフトアップ時、キックダウン時それぞれに応じたクラッチ圧特性の最適制御を行うなど、きめ細かく変速ショック低減を図っています。

リンク構造を改良し、節度のあるチェンジフィーリングを実現。
チェンジフィーリングにも入念に配慮。トランスミッション内にディテント構造を採用し、チェンジレバーのリンク構造の改良を図りました。また、パーキングブレーキ・システムの変更により、P位置からの抜き荷重を低減。チェンジ音を極力抑えるとともに、スムーズでありながら剛性感が高く、レバーの不要な遊びがない節度あるチェンジフィーリングを達成しました。

リバースギヤ音を極力低減。
ヘリカル・リバースギヤを採用して、後退時のギヤ音低減を図り、高品位トランスミッションの資質をいっそう高めています。

不意のシフトダウンを防ぎ、ドライブフィーリングを向上するキックダウンスイッチ。
できるだけ操作が容易で、しかも加速時にドライバーの意思に忠実にキックダウンが行えるトランスミッションに仕立てることも、もうひとつのテーマでした。まずエンジンのトルク向上によってスポーティ走行にも充分な加速性能が確保できたことにより、従来、シフトパターン切り換えのために設けていたSモードスイッチを不要にし、操作ロジックをシンプル化しました。その上で、アクセルペダル奥にキックダウンスイッチを設置。これにより、エンジンの豊かなトルク特性を活かしながら不意のシフトダウンを避け、ドライブフィーリングも向上させています。

デフオイルクーラー
高性能な走りを高い信頼性で支えるデフオイルクーラー。
水冷オイルクーラーをデフキャリア内に設置。エンジン冷却水を循環させ、デフオイルを冷却する構造をとっています。




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