LEGEND - 1985.10

LEGEND

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塗装・吟味・検証


信頼性を裏付ける、高精度なクルマづくり。

細やかな配慮で、行き届いた防錆処理を実行。
ボディを形成する鋼板に、サビに強い亜鉛処理鋼板を採用。また、フロントサイドフレームからリアフェンダーに至る主要なフレームの内側や、ボンネットの裏側、ドアの末端にまでワックスを施す、丁寧な防錆対策を実行しました。そして、フロア下まわりも防錆デザインとし、ボディ端末を樹脂ですべてカバー。ドアサッシュ部もエッジモールでプロテクトする入念さです。また、石ハネなどに備えて、アンダーフロア、ホイールハウス内、サイドシル部分にまで、耐チッピング塗装を施しています。   防錆処理

4層塗装・4層焼き付け(4コート・4ベーク)による入念な塗装処理。
より細心な防錆処理とともに高質感のある輝きをボディに与えるために、レジェンドは中塗りを2回施す4層塗装・4層焼き付け(4コート・4ベーク)という、入念すぎるほどの塗装処理を採用しました。中塗り工程は、下塗りの防錆機能を最大限に発揮させるための、きわめて重要な工程。そこに入念な処理を施すことで、レジェンドは長寿命のつややかなボディを実現しました。

塗膜断面
防錆機能と仕上がり感に大きな差を生むレジェンドの塗装方法。

油性ワックス塗布部
下塗り工程は主として防錆性の向上のためにあります。
レジェンドをはじめホンダ車はすべてカチオン電着塗装法がとられていますが、この方法はスプレー塗装では難しい部位にも入念に塗装を施すことができます。特に、袋状になった部分が多いモノコックボディでは、「つきまわり性」「エッジカバー性」に優れたこの方法が有効です。しかも、レジェンドはハイビルド化(厚膜化)を実現。そして中塗り工程は、下塗りの防錆機能と上塗りの美観機能を最大限に発揮させるための大切な役割を担います。レジェンドはこの工程を2度にわたって入念に行うことで、上塗り後の鮮映性、仕上りのつややかさ、深み感を特に向上させ、耐チッピング性も増しています。最後の上塗り工程は、仕上がり面に美しさを与え、その美しさを保持することが目的です。光沢、平滑性、鮮映性(塗膜が物体の像を鮮明に映すかどうか)、厚み等の品質評価項目がありますが、レジェンドはそれらのどれもに高い基準を設け、高品質感を実現。耐候性にも優れ、美観の長期間維持が可能となっています。また、塗料においても樹脂成分にエポキシ低分子量/高分子量ポリマーを併用。塗膜の平滑性に効果を発揮し、きわめてなめらかなボディ面を生んでいます。
 
吟味・検証は、あくまでもシビアに。
厖大な時間が、この一台に投入されました。
徹底してクォリティを求め続けたレジェンド。一つ一つのハードウェア、テクノロジーの吟味検証に費やされた時間は、きわめて厖大なものでした。高温多湿あるいは低温の極限状態を創り出し、その環境下での性能を要求する耐熱・耐寒テスト、風洞による空力テスト、そして振動・騒音テスト…等。また、走行テストでは試練の場を日本はもとより世界のさまざまな道に求め、真のワールドカーとしてのポテンシャルを磨き上げてきました。例えばドイツのアウトバーン。例えばスイス・アルプスの険しい山岳路。例えば、アメリカの熱砂漠デスバレー…。さらに、全開走行一万キロという苛酷なテストにも挑戦するなど、高度なレベルのテスト要件を次々とみずからに課することで、その性能を高めて行きました。
 
乗る人を真に満足させる高いクォリティ。
人間の感覚・感性をあくまで重視しました。
コンピュータや各種テストマシンの駆使は、もちろんより高精度をめざしてのこと。しかし、「乗り味」や操作フィール、快適性などの領域では、人間の感覚・感性をあくまでも重視しました。そのために、内外のスペシャリスト、ユーザーによる品質評価組織=クォリティ・コミッティを設立し、洗練された高品質感をめざすという新しい試みも行いました。シビアな意見・要望に真摯に耳を傾けながら一台のクルマを昇華させて行く。また、一つ一つの数値と一人一人の感覚を大切にする。そんな繊細なクルマづくりの姿勢が反映されてこそ、レジェンドはこれほどまでに高品質を誇れるクルマとして仕上がったと、私たちは確信いたします。
 
自動溶接工程
自動溶接工程
 
ドア開閉耐久試験
ドア開閉耐久試験
 
耐寒試験
耐寒試験(車体はテスト車)
 
三軸油圧加振試験
三軸油圧加振試験




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