LEGEND - 1985.10

LEGEND

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剛性


クルマの本質を語る
「ボディ剛性」を徹底的に追求。

ボディ剛性
クルマの「質」と「味」に深くかかわるボディ剛性の確保が課題でした。
クルマのすべてがマウントされているボディ。それだけに、ボディ剛性はじつにさまざまな影響力をクルマにもたらします。ボディ剛性の低下は、キシミ音、こもり音、フロアの振動などといった不快な現象NVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)を招く原因となるとともに、走りや乗り心地にも影響します。これらは、いわば「クルマの味」にかかわる部分。「静かなる高速移動空間」をめざしたレジェンドが、何よりも重要と考えていたところでした。しかも、ロングホイールベースを実現するためにも、ボディ剛性の確保には徹底的に執着したのです。

軽量・高剛性のモノコックボディ。
ボディ各部の接合面にも厳しい精度を要求。
コンピュータによる設計・解析、さまざまな耐久テストを繰り返し、高性能な走りにふさわしい骨格が生まれました。堅牢骨格構造を組み入れ、高張力鋼板を使用したモノコックボディ。さらに、大きな断面積のサイドシルとピラー。特にピラーは、必要十分な太さを確保しながら、細くすっきりと見せる工夫を施しています。また、フレームの結合効率を上げたり、2重ボックス構造を要所に採用するなど、見えない部分にも多岐にわたってクォリティを追求。しかも強度・剛性を高めながら重量を極力おさえています。こうした全体剛性だけでなく、レジェンドは部分剛性のアップもめざしました。エンジン、ステアリング系、サスペンション系の支持剛性や、艤装部品の取付け剛性には最大限に気を配り、高い曲げ剛性やねじり剛性を確保しています。例えば、リアビームにはクローズド断面をビームの前後に配した剛性のきわめて高いものを採用。走行安定性の向上、重厚な乗り味に寄与しています。さらに、ボディ・アセンブリー、フィット&フィニッシュ(ボディ各部の接合)にも厳しい精度を要求。この領域でのホンダの技術には定評がありますが、レジェンドではこれまでの技術をさらに熟成させています。

全体剛性アップのための主な対策
サイドシルのセクション大型化
サイドシルの2重ボックス化(ダイヤゴナルの追加)
ダッシュボード・ロアーにクロスメンバー設置
ダッシュボード・アッパー部にデフダクト兼用
大型クロスメンバーの採用
リア・ルーフレール完全クローズセクション化
リアバルクヘッドのボックスセクション化
リアフレームエンドにクロスメンバー設置
アウトリガーの大セクション化
骨太センターピラー
サイドシル部、ドア開口部の接着剤併用溶接

コンピュータによるボディ構造解析図
コンピュータによるボディ構造解析図




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