■「VTEC+可変デュアルインテークマニホールド」による3つのステージ
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●〜4,400回転
(VTEC低速バルブタイミング・リフト+ロング・インテークマニホールド)
低速から効率の良い吸気慣性効果が得られるロング・インテークマニホールドと、作動範囲を4,400回転以下に絞ったVTEC低速バルブタイミング・リフトにより、実用域での豊かなトルクが得られます。
●4,400回転〜5,800回転
(VTEC高速バルブタイミング・リフト+ロング・インテークマニホールド)
ロング・インテークマニホールドを使用しながらVTEC高速バルブタイミング・リフトが作動するため、中速域での吸気慣性効果も高められ、豊かな中速トルクによるシャープな加速を可能にします。
●5,800回転〜
(VTEC高速バルブタイミング・リフト+ショート・インテークマニホールド)
ショート・インテークマニホールドが混合気を速く大量にシリンダーに送り込むため、VTEC高速バルブタイミング・リフトとあいまって、高回転域での高効率な吸気を実現。最大トルク17.8kgm/6,200rpm(MT車)を発揮します。 |
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吸気抵抗を可能な限り低減化。
ストレートポートおよび新型軸流タイプ・
エアクリーナーの採用。 |
可変デュアルインテークマニホールドの効果を高めるために、よりスムーズな吸気を行なうストレートポートを採用。ポート部の吸気抵抗を低減し、リッターあたり100馬力の実現にも寄与しています。さらにエアクリーナーにも吸入抵抗の低減を可能にする、新型軸流タイプ・エアクリーナーを採用。円筒形の不織布タイプエレメントに空気がムラなく均等に流れ、よりスムーズな吸気を実現しています。また、吸気音の低下にも効果を発揮しています。
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燃焼効率を高め、高出力を実現。
スキッシュエリアを設けた「コンパクト燃焼室」。 |
混合気をより効率良く燃焼させ、出力を高めるには、燃焼室の容積を小さくして圧縮比を高める必要があります。1.8L DOHC
VTECエンジンは、ボア表面積の9%を占めるスキッシュエリアを設けることで、燃焼室容積に対する燃焼室内側の表面積の割合をより小さく(1.6L DOHC
VTECエンジンに比べて17%削減)したコンパクトな燃焼室としました。これらにより燃焼効率を向上させるとともに、高圧縮比10.6を達成。高出力を実現しました。高効率な燃焼は、もちろん燃費の向上にも貢献しています。
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コンパクト燃焼室 |
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スポーツエンジンを完成させるために施した、
細部にわたる数々の軽量化および
耐久・高剛性チューニング。 |
ピストンの軸受部に4本の溝を設け、オイルをまわりやすくする新構造にしました。軽量なプレスフィット方式を採用したまま充分な潤滑が得られ、ピストンとピストンピンの間のフリクションを減らすことでピストンスラップ音を低減。さらにBEM(境界要素法)による剛性解析で軽量・低騒音を実現しています。
(2) |
高強度スチール材を採用したコネクティングロッド。 |
これまでのスチール材をベースに、すべての材料成分組織を見直し、高回転に耐える最適な材料を配合。コネクティングロッドを強化したことで、許容回転数8,000回転を達成しました。しかも、フリクションやノイズ、振動の低減も実現しています。
(3) |
F-1で生まれた高回転・高出力対応技術、オリエンテッドクリスタル・ベアリングメタルを採用。 |
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クランクシャフトとコネクティングロッド結合部の、高回転・高負荷時における焼き付きを防止する、オリエンテッドクリスタル・ベアリングメタル。F-1で開発・実用化し、量産車にフィードバックした、ホンダの特許技術です(レジェンド、タイプIIエンジンで初採用)。
メタル表面への電気的な焼き付け処理を変えることで結晶が鋭角に配向されるように設定。
結晶と結晶の間にオイルを溜まりやすくし、高面圧でも油膜切れのない表面構造を実現しました。耐荷重性が大幅にアップし、焼き付き防止効果を一段と向上。パワーアップに大きく貢献するとともに、排気量アップによる荷重増にもかかわらず、ベアリングの細幅化を可能にしています。
また、これまで高出力エンジンには使用不可能とされてきた低粘度オイルが使用でき、経済性にも寄与しています。
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(4) |
最適形状に仕上げた高剛性クランクシャフト。 |
コンピュータ剛性解析によりウェブの形状や厚さ、クランクピンのストロークなど、多くの組み合わせを検討。軸径を変えることなく最適化を図り、高い剛性を確保しました。また、クランクシャフトの軸表面には耐摩耗性、耐熱信頼性に優れた超精密鏡面仕上げを施し、クランクピンも細幅化したことで、フリクションの低減も達成しています。さらに、クランクシャフト軸受部のベアリングキャップに、3連アルミブリッジを追加することで振動を抑え、クランク打音を低減しています。
シリンダーブロックには、軽量アルミダイキャスト(鋳鉄製スリーブ鋳込み)を採用。コンピュータ構造解析を行ない、ミッション結合面を2重構造にするなど、形状、肉厚のリファインを実施し、軽量・高剛性とともに低振動化も実現しています。
(6) |
軽量化とエンジン性能向上を両立させた、C型構造エキゾーストマニホールド。 |
排気ポート間の駄肉を減らし、軽量化を図るために、C型構造(金型で製造する際に不要な部分に砂を入れ、製造後に取り出す構造)のエキゾーストマニホールドを採用。さらにポートラインを滑らかにし、排気損失を低減することで、馬力アップも達成しています。
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リニアに吹け上がるスポーツサウンドを演出する、
大容量・大径エキゾーストシステム。 |
サイレンサーを縦置にするとともに、大容量化・大径化することで大流量をストレートに流し、さらにプリチャンバーに工夫を施すなど、吸音効果の高いエキゾーストシステムを実現しました。
これにより、低周波のにごり音のない、心地よい快音を獲得し、高回転時の音質も向上しています。 |
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エキゾーストシステム図 |
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振動騒音の低減と乗り心地の向上
をめざした、5点エンジンマウント+高剛性
アルミ製液封マウント。 |
5点支持のエンジンマウントを採用。振動騒音の低減と乗り心地の向上をめざしました。また、高回転エンジン対応として、こもり音や中周波伝達音を一層低減させるために、高剛性アルミ製液封マウントを新採用。軽量・高剛性なアルミ材を使用することで液封マウントの性能をさらに引き上げ、エンジン振動伝達の大幅な低減を可能にしました。 |
5点エンジンマウント |
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高性能・高効率で定評の、その他のエンジン・バリエーション。 |
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1.6L HYPER 16-VALVE+PGM-FI |
ZXi 型式E-DCI
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総排気量 |
1,590cm3 |
最高出力(ネット値*) |
120PS/6,300rpm |
最大トルク(ネット値*) |
14.5kgm/3,000rpm |
10・15モード走行燃料消費率 |
15.2km/L(運輸省審査値)※ |
60km/h定地走行燃料消費率 |
23.0km/L(運輸省届出値)※ |
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※5速マニュアル車
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1.6L HYPER 16-VALVE+DUAL CARB. |
ZX 型式E-DCI
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総排気量 |
1,590cm3 |
最高出力(ネット値*) |
105PS/6,300rpm |
最大トルク(ネット値*) |
13.8kgm/4,500rpm |
10・15モード走行燃料消費率 |
15.2km/L(運輸省審査値)※ |
60km/h定地走行燃料消費率 |
22.8km/L(運輸省届出値)※ |
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※5速マニュアル車
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*「ネット」とはエンジンを車両搭載状態で測定したものです。
●燃料消費率は、定められた試験条件での値です。
従って走行条件等により異なります。 |
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