INSPIRE/SABER - 1998.10

INSPIRE/SABER
NEWインスパイヤー/NEWセイバー
シャーシー&ボディ

5リンク・ダブルウィッシュボーン・リアサスペンションの
採用などにより、操縦安定性と乗り心地をさらに熟成
ホンダがFF車としていち早く4輪に採用したダブルウィッシュボーン・サスペンションをさらに熟成しました。
フロントは、主にロールセンター高を低減させるとともにサスペンションジオメトリーを最適化。リアには、ホンダ独自の先進技術である5リンクダブルウィッシュボーン・リアサスペンションを採用し、バンプ-トー特性を磨き上げることで外乱タフネスと操縦安定性を向上させました。さらに、リアサスペンションのロアアームとコントロールアームにピローボールジョイントを採用して接地点剛性を高め、ハンドリングの応答性を向上させました。

〈ダブルウィッシュボーン・
  フロントサスペンション〉
 
〈5リンク・ダブルウィッシュボーン・
        リアサスペンション〉
ダブルウィッシュボーン・フロントサスペンション   5リンク・ダブルウィッシュボーン・リアサスペンション

乗り心地を向上させ、居住空間の拡大に寄与する
ワッツリンク配置のジオメトリー
リアサスペンションのトレーリングアームとリーディングアームをワッツリンク配置とし、タイヤハウスのキャビンへの侵入量を低減。インホイール型のアーム配置と相まって居住スペースを拡大しています。また、タイヤにかかる前後力の多くを上下力に変換できるため、スプリング/ダンパーのセッティングでハーシュネスを抑えることができ乗り心地も向上しました。

ロールセンター高の最適化により
ゆったりと安定したコーナリング性能を実現
フロントを中心にロールセンター高を低減しました。ロール角を深めながらもゆったりとした荷重移動により、トレッド変化も少なく、ドライバーの操舵にリニアなコーナリングフォースの立ち上がりを実現。あわせてコーナリング初期に内外輪への荷重変化をコントロールし、サスペンションジオメトリーのセッティングと相まって、ラグジュアリー感あふれるテイストながら、限界の高いコーナリング性能を追求しました。
<ロールセンター高低減の概念図>
ロールセンター高低減の概念図
表

快適なロングツーリングのために
スポーティかつ軽快なステアリングフィールを実現
コーナリング性能の向上とあわせ、ステアリングも、より自然でリニアな操作性のために熟成しています。
ステアリングハンガー剛性を高めた上で、車速応動型のパワーステアリングを熟成。低速時は軽く、高速走行時はしっかりとしたステアリングフィーリングを実現。あらゆるシチュエーションで優れたダイレクト感と快適な操舵フィールを実現しました。また、ラバーカップリングを130%大容量化し、ねじり方向のバネレートをギアボックスマウントブッシュとあわせて最適化することでステアリング操作のリニアリティを向上。さらに軸方向のバネレートを低減し、ステアリング振動を大幅に抑えています。

リアにドラムインディスクを採用し、32Vはタイヤを
16インチとしフロントブレーキディスクを拡大
25V/32Vともリアブレーキをドラムインディスクタイプとし、フットブレーキとパーキングブレーキとも最大限の性能を引き出し、フットブレーキの制動レベルを向上させました。
また、32Vは前後のタイヤを16インチにサイズアップするとともに、フロントディスクブレーキディスクのサイズもこれに対応して拡大。剛性感と余裕のある制動を実現しました。
また、居住空間のスペース確保とラグジュアリー感向上のため、パーキングブレーキをフット式としています。

ボディの高剛性化とともに、
遮音・防音処理を施し優れた静粛性を実現
快適なロングツーリングのために、ボディまわりでも徹底した遮音・防音対策を実施。各ピラー内に塗装工程の熱で発泡充填する防音材を設定し、ロードノイズのキャビン内への侵入を低減。リアホイールハウスにサンドイッチメルシートを追加することで、特に濡れた路面での水はね音などのノイズを大幅に抑えました。
また、エンジン音を効果的に抑えるファイバーグラスのフードインシュレーターの採用、高周波のエンジンノイズを低減させるダッシュボードアウターインシュレーターの採用などとあわせ、室内側もさまざまな遮音材・吸音材を適用し、優れた静粛性のためにきめ細かな対応を行っています。

高次元の静粛性を実現した
二重防振電子制御エンジンマウント
きわめて優れた静粛性を実現するもう一つの技術が、二重防振された5点式エンジンマウントシステムです。
エンジンをメインに支えるのが液体を封入した2つの電子制御マウント。
これは、エンジンが低い回転数の場合にはバネレートを下げてアイドル振動を抑え、走行時には減衰力を上げて不快なエンジンの揺れを抑え乗り心地を向上します。
さらにこのマウントを低バネレートのマウントを介してボディと結合させた高剛性サブフレームの上に置く二重防振構造により、高次元の静粛性を実現しました。
<二重防振構造のエンジンマウント>
二重防振構造のエンジンマウント

<主なNVH対策ポイント>
主なNVH対策ポイント1 主なNVH対策ポイント2


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