Inspire SABER - 1995.02

INSPIRE/SABER
Inspire SABER
SAFTY&ENVIRONMENT


次代におけるクルマのあり方をみつめ、
最大限の配慮を施した安全・環境対策。

イメージ写真

事故につながる要因は、可能なかぎり前段階で取りのぞいていく。
そのうえで、万全を期すこと。
ホンダの、高水準の安全性能がここにあります。

4方向からのあくなき安全追求、
グローイングセーフティ。
安全性は、徹底して向上されるべき重要な基本性能です。そのため、ハードとソフトの両面から、さまざまな取り組みを進めています。
ハード面としては、●クルマの基本構造の研究段階から行なう安全への取り組み、●事故を未然に防ぐためのアクティブセーフティ、●万一のさいに乗員を保護するためのパッシブセーフティを徹底。加えて、ソフト面からの独自のアプローチとして、●「体感する安全」をテーマに、安全運転の普及・向上に取り組んでいます。
これら4つの視点から安全をみつめ、「安全性と走る愉しさが両立するレベル」まで高めていくこと。そしてそれらを、高価なものとしてでなく、より多くのお客さまにその価値をお届けすること。それがホンダの考えるグローイングセーフティです。

グローイングセーフティ

クルマの基本研究段階から
安全に取り組むこと。
開発のスタート時点から、安全性を考慮し、積極的に取り組む。インスパイア/セイバーにおいても、車両デザイン・設計の基本から安全性を重視し、その具体化を図りました。
高剛性モノコックボディはもちろん、走行安定性をもたらす超ロングホイールベース&ワイドトレッド、ワイドグラスや着座位置の工夫による全方向広視界ハードトップ設計、そして本来の機能を最大限に発揮することを目的としたヘッドライトやリアブレーキランプデザインなど。
その基本構造は、運転性能や快適性を高めるためだけでなく、安全性の向上も目的とされているのです。

事故を未然に防ぐための積極的な対策。
アクティブセーフティ。
事故を未然に防ぐという視点から、積極的な安全対策を施す。「走る」「曲がる」「止まる」というクルマの基本性能を徹底的に追求することから、より安心感に満ちた運転環境の創造をめざす。それが、アクティブセーフティです。具体化技術としては、4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンション、車速感応型ロータリーバルブ式パワーステアリング、ABS、TCS、大光量マルチリフレクターヘッドライト、ハイマウント・ストップランプなど。なかでも、ABS、TCSは、先進の知能化技術として、安全性の向上に大きく貢献しています。
■3チャンネルデジタル制御ABS
(4輪アンチロックブレーキシステム/全タイプにメーカーオプション)
前輪は左右独立制御、後輪は左右両輪を同時に制御する3チャンネル方式のABSを全タイプに設定。16ビットのC.P.U.の採用により、路面状況の変化に応じた最適な制御を行ない、高い制動能力と挙動安定性を両立させています。また同時に、ペダルキックバックの低減など、作動時のフィーリングの向上も図っています。
ABS全体システム図
ABS全体システム図


■TCS(トラクションコントロールシステム/ 25XG、25Sにメーカーオプション)
雪道や凍結路など滑りやすい路面での発進や加速時に発生しがちな駆動輪のムダな空転を抑え、路面状況に応じて駆動力を精密にコントロールする自動制御システム、それがTCSです。
システムの中枢となるコントロールユニットには、新たに路面μ(摩擦係数)学習機能を加えた16ビットのC.P.U.を採用しました。この学習機能は、駆動輪と加速Gまたは横Gから路面μを推定し、駆動力を調整するものです。これにより、雪道など低μ路における発進加速性能をさらに向上させています。
また、コーナリング時に発生しやすいパワーオンによる唐突なアンダーステアを極力抑え、クルマの挙動を安定させる「操安制御」も実現しています。
しかも、TCS作動時にはメーター内の専用ランプが点滅し、作動状況をドライバーに的確に伝えます。
TCS走行実験模式図
TCS走行実験模式図

ABSやTCSは、あくまでもドライバーのアクセル操作やブレーキ操作を補助するシステムです。したがって、ABSやTCSがない車両と同様にコーナー等の手前では充分な減速が必要であり、ムリな運転までは制御できません。安全運転をお願いします。


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